第七話 郵便局強盗と白井さん
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を確信したようだったが、白い閃光がパチンコ玉を飲み込んで抜けて行き、パチンコ玉は跡形もなく消え去っていた。
恐らく御坂さんの電撃だろうと思われるものがパチンコ玉を消し去ったのを確認すると、俺は保険として白井さんの目の前に展開していた空間盾を即座に解除する。その直後、白井さんは犯人に向かって走り出し、確保したのである。
俺が白井さんに対してかけていた保険の空間盾というのは俺の空間操作能力の一部で、存在しない空間を作り出すものである。存在しないものを作り出すというのもおかしな話だが、その空間の存在をなくすとでも言えばいいだろうか、一応俺の魔法によって光と音はなくなった空間を抜けて届くようにしているので、空気中であれば見た目には何ひとつ変わることがない。しかし、その場所には空間が存在しないので風が抜けることもないし、物が通過することも出来ないのである。なお、白井さんの目の前に展開していた空間盾は厚さ0.001mm程度である。
これで事件は解決ということでいいのだろう。俺はカウンターの椅子に腰を下ろし、繋がったままのケータイを手に取る。
「何とか片付いたみたいです」
一応土御門さんに報告しておく……つもりだったが、何も反応がない。
(すでに電池が切れています)
アリスからの報告で気付いたのだが、良く考えたらケータイ買ってから俺は充電していない。買ったときに店側が動作チェックでもしたのだろう程度の充電しかされていなかったのである。
仕方なくケータイをポケットに入れて、アンチスキルの到着を待つ。
(あーそうだ、アリス、ケータイの光と音は戻しといてくれ)
(うん、充電をしたときに戻しとく)
(シェーラは犯人が確保された時点で干渉を止めてくれ)
(はい、とは言っても犯人に起きる気配がなかったので、現時点では何もしていないのですが……)
(そうか、まぁ、確保されるまでは見ておいてくれ)
(かしこまりました)
しばらく待つとアンチスキルが到着し、犯人の確保や固法さんの治療などを始める。俺や他の客に対しての事情聴取はもうしばらく後になりそうだ。そして、白井さんは治療を受けた後のようで初春さんとおしゃべりをしていた。
鉄装さんから事情聴取を受け、俺が見た範囲での説明をしていたのだが、その時視界の隅に黄泉川さんの姿を捉えた。黄泉川さんは俺の通帳を持っていった郵便局員に事情聴取をしているようで、局員が通帳を見せて俺のほうを指差した時に黄泉川さんと目が合った。
俺が軽く頭を下げる感じの挨拶をすると、黄泉川さんも肯くような仕草を見せてくれた。とても良い先生であることは原作からも伺えるので、俺としてはちょっと嬉しかったりする。だが、局員は俺の通帳についての何かを説明している
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