第七話 郵便局強盗と白井さん
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た事もあり演技ではなく驚いていた俺は、白井さんの先走った行動により我に返った。
(アリス、取り敢えず今だけ、俺のケータイをどう操作しても音が出ないようにしてくれ)
(了解、終了)
犯人に気付かれないようにケータイから出る音をアリスにカットしてもらい、土御門さんに電話をかけようと思ったのだが……まだ操作に慣れてないこともあって、ポケットの中でどう操作していいか分からなかった。
(アリス、このケータイから土御門さんに電話をかけてくれ)
(了解、……つながった)
「きゃっ!」
「なーにガキにのされてんだよっ! ったく使えねー」
アリスに頼んで土御門さんにかけてもらい、繋がった直後に本命の郵便局強盗が初春さんを人質にとっていた。
「初春っ!」
「あぁ? こいつの知り合いか? お前ジャッジメントだろ。ジャッジメントが人質を見捨てるわけねーよなー」
初春さんを人質に取った犯人がしゃべり終わってすぐ、郵便局の警報装置が鳴り出した。
警報が鳴り出すと郵便局内の電気が全て消え、シャッターが閉まることでかなり暗くなった。アニメでは普通に見ていた気がするので、恐らく暗くなった感じはあっても見えにくくなるほどの暗さにはしてなかったのだろう。しかし、実際に非常口の明かりやコンピューター画面など、少々光を出しているものがあるだけでは、人の顔を識別できるほどの明るさにならない。
(シェーラ、取り敢えずカタがつくまでは、そこに居る強盗の仲間が起きないようにしといてくれ)
(かしこまりました)
(アリス、ケータイの明かりが点く部分を全て消灯状態にしてくれ)
(してある)
シェーラとアリスにそれぞれ頼みごとをした時には、警備ロボットが警告を終えて動き出していた。
白井さんが警備ロボットに隠れるようにして動き出す。アニメで見たときは「そんなの一発でバレるだろう」と思っていたのだが、実際にこの暗さでは分かりづらいのかもしれない。……いや、でもやっぱり分かるだろうな。
ドガンッ!
「きゃっ!」
「いてっ」
警備ロボットが破壊され、白井さんは固法さんに助けられ、固法さんは恐らく大怪我をしているのだろうが、俺の腕にも警備ロボットの破片は結構な勢いで当たっていた。
「こういうのって、別に俺たちの仕事じゃないんですよね?」
『あー、そうだにゃー』
カウンターを仕切る板で犯人側から見えないようにケータイを取り出して土御門さんと話をする。当然小声でしゃべっているし、警報音も鳴っていて、さらに白井さんが「先輩!」などと叫んでいるので、犯人に気付かれることはないだろう。そして、土御門さんはこれまでの郵便局内の音や声などから、こちらの事情を察してくれて
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