第43話
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ところじゃん。」
その言葉を聞いて麻生は眉をひそめた。
「外」からの侵入者で中まで入ってこれる奴らなど、麻生は一つだけしか思い浮かばなかった。
魔術師。
科学の世界とは真逆の魔術の世界の住人。
しかも、今回はステイルや神裂のような穏便に事を済ませるような事はしない輩の様だ。
十中八九ただの警備員だけでは門を強引に突破できる魔術師に勝つのは難しいだろう。
下手をすれば死人が出る可能性もある。
「愛穂、俺もついていく。」
麻生の話を聞いた愛穂は一瞬驚いた顔をするが麻生の頭に手を置いて笑いながら言った。
「駄目じゃん。
恭介は学生でウチは教師。
学生を危険な場所に連れて行くわけにはいけないじゃん。」
他の警備員には内緒にしているが愛穂は、麻生に何回か事件の解決を手伝ってもらった事がある。
それらは全部話をして、麻生がそれらの情報を分析して麻生なりの解答を言うという簡単なものだ。
しかし、今回はそう言った簡単な事件ではない。
愛穂は麻生の能力を把握している訳ではないが並みの能力者ではない事を知っている。
それでも麻生は学生だ。
教師であり警備員である愛穂が守らなければならない存在だ。
「大丈夫じゃん、ウチ一人で戦う訳じゃないじゃん。
だから麻生が心配するようなことは起きないから安心して待ってるじゃん。」
事件が片付いたら電話するじゃん、と言って愛穂は時計を見て少し慌てて廊下を走っていく。
その後ろ姿を麻生は黙って見つめていた。
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