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八条学園騒動記
第七十話 喫茶店においてその四
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「そうだったね」
「けれど幾らでも入る感じです」
「だよね。どうしてかな」
 笑ってティンの言葉に応える。
「こんなのはじめてだよ、そりゃ俺ってかなり食べる方だけれどさ」
「私もです。何だか」
 ティンも笑顔で言う。甘い、ケーキよりも甘い笑顔で。
「こんなことはじめてです」
「そうだよね」
 このまま話をする。皆それを上から眺めながらまた話をするのであった。だが今度は二人とは直接関係ない話であった。
「そういえばさ」
 ペリーヌが最初にそれを言う。
「私達ここでかなり食べてるわよね」
「だよな」
 それにジミーが頷く。
「俺ケーキ五つは食べてるぞ」
「もっとじゃないの?」
 それにセドリックが突っ込みを入れる。
「確か僕と同じだから八個は」
「そんなに食べていたのか」
「気付かなかった?」
「ああ、全然」
 首を横に振ってセドリックに答える。
「そうか、そんなに食べていたのか」
「そうだよ。あの二人もそうみたいだけれど」
 ここでまたカムイとティンについて話を戻した。
「何かさ、あの二人食べるのかなり早くない?」
「そうね」
 アンジェレッタがセドリックの言葉に頷く。
「見ていたらね。もうパンケーキあらかた食べちゃってるし」
「ここのパンケーキ美味しいしね」
 ピーターが言うのはそこであった。
「ついつい進むけれどそれでもね」
「早いわね」
 アンジェレッタはまたそれを言う。
「まあ食べるのが早いのはいいけれどね」
「そっから先は言うと危ないわよ」
 ペリーヌがアンジェレッタに注意する。
「いいわね」
「わかってるわよ。まあお薬で遅くすることもできるけれど」
 しかしアンジェレッタはまだ言うのであった。
「それも何回でもできるように」
「あんたの彼氏ってどんな目に遭うのか怖くなってきたわ」
 ペリーヌは今のアンジェレッタの言葉に今度は引いた。
「何なのよ、それって」
「声が大きいわよ」
 ここでウェンディが二人を注意する。
「下手したら気付かれるから。気をつけて」
「え、ええ」
「御免なさい」
 二人はそう言われてすぐに謝る。そうして下を見ることに専念するのであった。
 下は今のところは平穏であった。しかしそれが遂に破られようとしていた。
「あのですね」
 仕掛けてきたのはティンであった。
「何?」
「カムイさんって私のことどう思っていますか?」
 じっとカムイを見詰めて問う。もう雰囲気は完全にできていた。
「私のことを。どう思っておられるんでしょうか」
「いきなりストレートね」
「ここはストレートがいい」
 プリシラにタムタムが述べる。
「そうじゃないとぶれる。だからここはストレートだ」
「そうなの」
 名キャッチャーであるタム
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