暁 〜小説投稿サイト〜
とある星の力を使いし者
第42話
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
味がないんじゃないのか?」

「ウチは教師じゃん。
 生徒が遅刻すると分かっていて何もしないというのもおかしいじゃん。
 そう言う事だからこれで遅れたら恭介に罰則を与えるから覚悟するじゃん。」

そう言って愛穂は勝手に電話をかけてきて勝手に電話を切った。
麻生は時計を見ると七時三〇分。
ゆっくり準備しても充分に間に合う時間だ。
欠伸をかきながらベットから起き上がり風呂に入る。
上がった後は制服に着替え、鞄に必要最低限の物を入れていつもより早い登校を始める。
校門が見えてくるとその前に緑のジャージを着た愛穂が生徒にあいさつしながら立っていた。

「お!麻生じゃん。
 遅れずに登校できたじゃん。」

「あんたの罰則を受けるのは非常に面倒だからな。」

「それなら遅刻したら罰則するような制度にする?」

「そんな事をしたら俺は確実に学校をやめるぞ。」

他愛のない話をして麻生は下駄箱で靴を履きかえて教室に向かう。
自分の教室について扉を開ける。
扉を開けた瞬間に教室の中にいた生徒が一斉に麻生の方に見た。
どの生徒も信じられないものを見ているかのような目をしていた。
それもその筈、この教室で麻生は一番遅刻をしている生徒だ。
上条、土御門、青髪ピアス、麻生、この四人はこの学校の先生の頭痛の種の一つだ。
入学式ですら遅刻ギリギリで登校してそれ以外の日でも遅刻なんて日常茶飯事、そんな麻生が始業式に間に合いあまつさえ時間に余裕をもって教室に入ってくるなど、麻生の学校での日常を知っている者からすれば、まさに信じられない行動なのだ。
そんな生徒達の心情を知らない麻生は奇妙な目で見られている事に気づき、ゆっくりと全体を見渡して言った。

「俺の顔に何かついているのか?」

麻生がそう聞くと青髪ピアスは麻生に近づいて聞いてきた。

「麻生はほんまに麻生か?」

「何を訳の分からない事を言っているんだ。」

「遅刻で有名な麻生がこんな時間に来るなんてありえへんからな。
 もしかしたら麻生の偽物が来たんやと思てな。」

青髪ピアスの言葉を聞いてようやく事情を呑み込めた麻生は大きくため息を吐く。

「いつもより早く起きて暇だったから登校しただけだ。」

そう言って麻生は自分の机に向かって椅子に座る。
あの麻生がこんなに早く来るなんて珍しい事があるんだな、という誰かの声が聞こえそこから世間話が再開される。
麻生は始業式が始まるまで窓の外を眺めていようと思った時だった。

「珍しい事もあるのね。」

麻生は声のする方に視線を送ると麻生の前の席に吹寄制理が座っていた。
麻生はそれを確認すると視線を再び窓の外へとやる。

「どうせ今日も遅刻ギリギリかそれとも遅刻するか。
 どちらにして
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ