第41話
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するこの男に恐怖感を覚える。
できればアレイスターの命令を無視して独断でシェリーを討ちたい所だが、それも叶わない。
彼一人ではこのビルから出る事もできない。
出口もないし、ドアも窓も廊下も階段もない、生活に必要な大気すら施設内で生成しているため通気口もない。
それでいてこのビルは、火力だけなら核ミサイルの爆風を受けても倒れないほどの強度を誇る。
「外と連絡がつくはずもない、か。
おいアレイスター、お前の有線で外の空間移動能力者を呼び出せ。
さもないとそこらに伸びているコードを片っ端から引き抜くぞ。」
「構わんよ、ストレスを解消したいのならば好きなだけやるといい。」
土御門は苦虫を噛み潰したような顔をした。
薄々勘付いていたが、この部屋にあるチューブやコード、機械類はダミーなのだろう。
土御門は舌打ちをしてアレイスターの浮かぶ円筒器に背を預けて聞いた。
「お前、本当に戦争を未然に回避する自信があるのだろうな?」
「その自身は君が持つべきだろう。
舞台裏を飛び回るのは君の役割だ。
なに、君の努力次第では水面下の工作戦にしても死者を出さずに済むかもしれんぞ。」
ちくしょうが、と土御門は吐き捨てる。
詰まる所、彼はいつもそんな仕事ばかりしていた。
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