第一章 無印編
第八話 『金色の魔導師』
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い…。
その帰り道、
「…シホちゃん」
「ん? なに、なのは?」
「あの、ね…私に戦い方を教えて欲しいの!」
その驚きの発言に私はもちろんユーノとフィアも驚いた。
「どうして…? やっぱり今日のあの子の事が気になったの?」
「うん。それもあるけど…私はあの子の事………ううん、なんでもない。でもシホちゃん達だけに戦わせて足手まといになるのは嫌なの…」
「別になのはの事は足手まといなんて思っていないわよ。ね、二人とも?」
私の言葉に二人は素直に頷いてくれた。
でも、と…私は一時言葉を切り、
「ねぇ、なのは。戦うっていうのはどういうことかわかる?
場合によっては相手を傷つけてしまうかもしれないのよ。そしてこちらも傷つくこともある。
私もなるべく傷つけないように穏便に今日は済ませたけどきっとあの子は傷ついた。それに次はそううまくいくか分からない。
あなたにその覚悟があって…?」
◆◇―――――――――◇◆
Side 高町なのは
「あなたにその覚悟があって…?」
シホちゃんのその真剣な言葉と眼差しに少し黙り込んでしまった。
でも、あの子はとても悲しい目をしていた。
…そう、初めてシホちゃんが目を覚ました時に見せた、孤独を知っている目。
シホちゃんはきっと私以上に孤独というものを知っていると思う。
そして今日のあの子も同じ目をしていた。
シホちゃんとはお話をして友達に、家族になれた。
だから、きっとまた戦うことになっちゃうかもしれないけど、あの子ともお話をしたい!
「覚悟っていうのは曖昧だし…戦う理由も明確にはまだない。
だけどあの子はとても悲しい目をしていた。どう言えばいいのか分からないけどあの子にいつまでもあんな表情は似合わない。
私は放っておけない。だから今は力が欲しいの。あの子を救えるだけの力が…」
「………」
私は伝えるだけの言葉をシホちゃんに言った。
それでシホちゃんは少し顎に手を添えて黙り込んでしまった。
その少しの沈黙が私にはとても長いものに感じたけど、やがてシホちゃんは口を開いて。
「…わかったわ。なのはにそこまでの覚悟があるなら私はもう止めない。
明日からあの子に対抗できるように強化プランを作ってみるわ。ユーノにフィア、それにレイジングハート。協力してくれるかしら?」
「…うん。もとは僕達が招いた事だから全力で協力するよ」
「お姉様のお願いならなんでも聞きます!」
《わかりました》
するとシホちゃんだけでなくみんなも協力の意を示してくれたので私は嬉しくなった。
だから私もただ強くなるだけじゃなくて、心も強くなろうとその日に誓った。
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