第一章 無印編
第八話 『金色の魔導師』
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ホはノエルに連れられてお風呂場に向かっていった。
「…恭也。シホちゃんって…」
「忍、心配するな。少し訳ありだけどとてもいい子だよ。むしろ可哀想な子とも言える」
「後で教えてね…?」
「なのは達はこの事を一切知らないから内密に頼むぞ?」
「ええ…」
そして恭也と忍は静かに会話を終了した。
しばらくしてシホは、なぜかメイド服姿になって皆のもとに帰ってきた。
それで一同は言葉を失う。
なぜかというと、似合いすぎていたのだ。
(…普通の服でもよかったのに…。やっぱり世界の意思は私に転職しろと言っているのかしら?)
シホは心の中で愚痴っていた。
だが周りはシホの心境などお構いなく、
「シホちゃん可愛い!」
「まさかここまで似合うなんて思っていなかったわ…」
「うんうん!」
上からすずか、アリサ、なのはの順に素直な感想を述べた。
シホは少し口を轢きつかせながら、
「あの…ノエルさん。お風呂を貸してもらったのは嬉しいんですけど、なんでメイド服なんですか?」
「すみません、シホお嬢様。現在すずかお嬢様の服はすべて洗濯をしておりまして…」
ノエルは済まなそうにそう言った。なんでも月に一回は一斉に洗いに出してしまうという話である。
シホは運悪くこの日に当たってしまったのだ。
「…そうですか。それじゃ私はなにかした方がいいんですか?」
「別に何もしなくていいわよ? 大切なお客さんなんだから」
忍はそう言っているがシホはある事を思い出した。
急いで持ってきていたリュックを開けた。
中には未だに目を回しているフィアットがお菓子と一緒に入っていた。
「フィア、大丈夫…?」
《は、はいです…》
フィアットはなんとか復活したのかシホの肩に乗ってきた。
それで安心したシホは持ってきたお菓子が崩れていないことを確認して、
「あの、私が作ってきたものですけど良かったら食べてください」
「わぁ…とっても美味しそうだね。これシホちゃんが作ったの?」
「うん、そうよ。独自の作りに桃子さんの技法をミックスしてみて作ってみたの。結構自信作だから食べてくれたら私は嬉しいわ」
「それじゃ頂くわね」
すずかが聞いてきたのでシホは詳細を伝えて、アリサの一言で一同はそれぞれクッキーを食べて美味しいという言葉を送ってくれた。
「それではお飲み物を用意してきますね?」
「ありがとうございます、ファリンさん」
「いえ、それより以前に教えてくれた料理の仕方を試してみたんですけどいつもより美味しくできたんですよ。だからありがとね。シホちゃん」
「そうですか。お役に立てたならよかったです」
またファリンと料理談義を始めかけていたシホだがそこで忍が急に迫ってきた。
「あの料理の作
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