第一章 無印編
第八話 『金色の魔導師』
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ホちゃんは自身の身長以上の長さはある刀を持ち、
「秘剣―――――………」
シホちゃんが鋭い眼差しをして刀を水平に構えた途端、殺気がたち込めだし周囲の温度が一気に下がり、しかしまだ生き残っているロボット達はシホちゃんに向かったが。
「燕返し…!!」
その必殺の言葉とともに異なる軌跡を描く三つの斬撃が全く同時にロボット達に襲い掛かり回避行動も出せずにすべてのロボットは見事に切断された。
そして警戒を緩める気配を見せないでシホちゃんはゆっくりとこちらに振り向いた。
―――視線が交差したその瞬間、俺は、シホちゃんの握っている刀に、斬り殺される光景を、幻視した。
思わず俺はシホちゃんのその目に恐怖を覚えた。
…あれがシホちゃんの裏の顔の一端だというのか。
どれだけ過酷な人生を送ってきたのだろうか…。
だけどすぐにシホちゃんはいつもの表情に戻り、
「きょ、恭也さん!?」
先程までの雰囲気が一気に霧散して慌てて刀を消したようだ。
「無事だったんだな…」
「…はい。途中何度も爆発や襲撃を受けてこんな有様ですけど…」
なんとか心に余裕が出てきてゆっくりと観察してみるとシホちゃんの髪は少し煤汚れていた。
他にもあるけど、とりあえず一回洗い流した方がいいな。
「シホちゃん。一回お風呂を貸してもらえ。その姿じゃ恥ずかしいだろ?」
「そ、そうですね。それじゃお願いします…」
頬を赤くしながらシホちゃんは承諾してくれた。
「ところで、さっきの技は…」
「あ…もしかして見てました?」
それから先程の技はやはり『燕返し』というものらしく屋敷に戻る道中で説明してもらった。
内容はとんでもないものだったが…。
三方向からの攻撃がまったく同時に発生するというもの。
一の太刀はまず頭上から断つ縦軸。
二の太刀は一の太刀を避けられない為に逃げ道を塞ぐ円の軌跡。
そして三の太刀は左右への離脱を阻む払い。
…つまり逃げ場はほぼないに等しいという恐ろしい剣技だという事。
これでは神速込みでの『薙旋』でも打ち合えるか怪しいところだ。
「シホちゃんはその歳ですごいな。そんなものまで使えるなんて…」
「ある知人の模倣をしただけですよ。本物はあんな物じゃありませんから」
「是非その人物に会いたいものだな」
俺は不謹慎とも思うが心が高揚としていた。
シホちゃんは剣の才能は確かにないけど様々な引き出しをたくさん隠し持っている。
それがシホちゃんの強さの一つだ。
◆◇―――――――――◇◆
シホが服はボロボロで疲れた表情をして恭也と一緒にやってきた。
それで全員ホッとしたのかなのはは思わずシホに泣きついてしまった。
そしてシ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ