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【完結】剣製の魔法少女戦記
第一章 無印編
第八話        『金色の魔導師』
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Side シホ・E・シュバインオーグ


つい最近の新聞にも大きく載っていたあの大樹の事件から少しが経った頃、なのはと私はすずかに家に招待された。
アリサも来るらしい。
そしてすずかの姉の『月村忍』という人物は恭也さんの彼女という話である。
それで私、なのは、恭也さんの三人で月村邸にお茶会に出かけることになったのだけど…。

「シホちゃん。ほんとうに先に行ってていい?」
「大丈夫よ。地図ももらったから後から月村邸に向かうわ」

そう。私はなのはと恭也さんとは別に遅れて向かう手筈になっている。
理由は桃子さん直伝レシピのお菓子がまだ出来上がっていないから。
それで出来上がったらすぐに向かうと二人を説得した。

二人が出て行った後、美由希さんは家でお留守番らしくフィアと遊んでいた。

「美由希さーん。もう少しで出来ますから味見してもらえますか?」
「うん、わかった。それじゃいこっか、フィア?」
「キュッ!」

美由希さんはフィアを肩に乗せてやってきた。
私はテーブルの上に今出来上がったばかりの数種類のクッキーを美由希さんに味見してもらうと、

「うわー…シホちゃん、すごいね。なんか最近お母さんの作るクッキーと味が似てきたよ」
「お褒めいただきありがとうございます」

なんとなく従者の態度で一礼して応じてみた。
それに美由希さんはとてもいい笑顔を浮かべた。
どうやら受けはよかったらしい。

「なんかシホちゃんってそういう仕草をするとメイドさんみたいだね。月村邸にもメイドさんがいるけどいい勝負だよ?」
「ファリンさんとかですか?」
「あれ? シホちゃんってファリンさんの事知っていたの…?」
「はい。まぁ…」

それで美由希さんに出会いの話をしたら「やっぱり…」という表情をしていた。
ファリンさん…あなたはやっぱりドジっ子メイドなんですね。
それからクッキーだけじゃ…と思い紅茶を出して淹れてみた。
少しの間、私と美由希さんはこの静かな雰囲気を楽しんでいた。

「…ふぅ、シホちゃんってやっぱり料理も家事もできるし器量もいい。なによりとっても可愛いから将来付き合う人が羨ましいね…」
「(コクコク…)」

美由希さんはそんな事を突然言い出しフィアもなぜか首を縦に振っていた。
そうはいうが私としては元・男性なので付き合う事は恐らくないだろう。
なので支障の無い程度に受け応えをしてみた。
でも、と…美由希さんは少し意味深に低い声を出しながら、

「おそらく、ね? 私やなのはもそうだけどお父さんと恭ちゃんがきっと…『娘はやらん! 欲しければまず私達を倒すことだな!』とか言って襲い掛かりそうだよね。二人とも妙に過保護だから…」
「あ、あはは…」

そんな事は無
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