導火線の火は中々消えない
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貴様?」
「朱乃は俺の女だ。テメェにやるモンじゃねぇんだよ」
「………貴様、人間か。下等な人間が俺に立てつくとは………死にたいのか?」
「……ハッ! テメェ如きじゃ俺は殺せねぇよ。………お坊ちゃん?」
「………人間。後に謝っても許さんぞ!?」
「謝るぐらいなら、テメェをブチのめしてるぜ?」
と、軽い小競り合いが始まった。
そんな様子をアーシアは俺の裾を持ちながら後ろで恐々に見ており、木場と小猫ちゃんは静かに成り行きを見ていた。
部長は、俺の方にやってきて………
「イッセー、真紅狼を止めてちょうだい。いくら真紅狼でも死んでしまうわ」
「部長は、真紅狼の外道っぷりを見たことがないんでしたね」
「どういうことなの?」
「真紅狼と口喧嘩して、勝てる奴は見たことが無いんですよ。しかも、外道ですよ? 尋常じゃないほどなんです」
部長は、真紅狼の外道っぷりが気になったのか、真紅狼達を見ていた。
「この“俺”を“人間”である貴様がブチのめすだと!? 不死鳥であり上級悪魔のこの俺をブチのめすことなど、出来ないんだよ! むしろ、貴様がそのようなことになるハメだぞ?」
「アホみたいに自身の能力に過信し、さらには他人に見せつけるなんて“雑魚”のやることだよ、アホ悪魔。まぁ、女を振り向かせることにしか能がねぇから、それらしい振る舞いとか色々と大事なモノが抜けて、スカスカな頭になっている奴に求める方が酷ってものか………」
真紅狼から吐き出される言葉は、容赦ない暴言。
ライザーは、顔を真っ赤にして体から炎を噴き出していた。
「貴様ァ!!」
拳を振り上げて、真紅狼に放つが簡単に避ける。
「おやおや、口では勝てないからって、手を出すか。器の底が知れるな。………無様だねぇ、アンタ」
「ぐっ………!」
真紅狼は口の端を吊りあげて哂っていた。
これは、完全に真紅狼のペースだな。
皆を見てみると………『うわぁ………』という表情で完全に引いていた。
………朱乃さんを除いて。
「これが将来有望な上級悪魔? 俺よりも年上の奴が、女を囲むことしかない能無しに任せたら、今度こそ悪魔の未来が終わるぜ」
「貴様、楽には死なせんぞ!? 『死なせてくれ!』と懇願したくなるほど、苦しめてやる!!」
完全に一触即発状態になった時、グレイフィアさんが二人の間に割り込んだ。
「お待ちください。今までは口だけでしたが、手を出されるのであれば私がお二人のお相手をします」
二人は、グレイフィアさんを見て、即発状態を解いた。
「ならば、レーティング・ゲームで決めたらいかがでしょう?」
「どうあっても、お父様は私を結婚させたいようね。その勝負、乗るわ!」
「俺
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