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SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第五章 オレンジギルド
第37話 黒の剣士
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ちんもく)が周囲を(おお)い、その中央で静かにキリトが話し始める。
「――十秒あたり400ポイント、ってとこか。それがあんたら九人が俺に与えるダメージの総量だ。俺のレベルは78、ヒットポイントは14500ある。……さらに《戦闘時回復(バトルヒーリング)》スキルによる自動回復が十秒で600ポイント。……何時間攻撃しても俺は倒せないよ」
 その言葉を聞いて、男たちは愕然(がくぜん)としたように口を開け、立ちつくす。……やがて、サブリーダーらしき両手剣士が口を開き、
「そんなの……そんなのアリかよ……。ムチャクチャじゃねぇかよ……」
 (かす)れた声で、そんな事を言った。
 ……ホント、レベルが低いと何もでき無い事を思い知らされるよ……レベル上げがどんなに大事かってね。……まぁ、俺は今レベル82だから関係ないけどね。(シリカは79)

 というか……クリスマス以来キリトの奴、無茶なレベル上げしてないんだな。俺たちがクリスマスが終わってから《フィールドボス》と戦って無茶してるから、レベルの差が少し増えてるぞ。
 シリカもキリトより高いけど……多分俺も含めて、まだキリトには勝てないんだろうなぁ。クリスマスの時も、キリトが油断してくれてなかったら危なかったし……。


 そんな事を思いながら見ていたら、男達が全員こっちに向って走ってきた。
 ……まったく、キリトから逃げられるわけ…「シュウたち、(あと)は任せた。俺はロザリアを捕まえとく」…ない……
「へっ!?」
 今、ちょっと意味の分からない言葉が聞こえたぞ!?
「ちょっと!? キリトさん!?」
 シリカも俺と同じように驚いていた。……まぁ誰だって『用意していた』なんて言われて気楽に見ていたのに、それでいきなり振られたら、そりゃ驚くわ!

 そんな感じで驚いて動けないでいたら、男たちは二人ずつで俺とシリカの手を掴み、他の奴ら剣で俺たちに剣を向けてきた。
「こ、こいつらを助けたかったら、俺たちを見逃せ!」
 男の一人がキリトに向って、そう言った。

 そして、キリトに追い詰められていたロザリアが、
「ほ、ほら、助けに行かなくて良いの? あの二人死んじゃうわよ?」
 と言っていたので……『一人で大丈夫』って的なことを言っていたのに、俺とシリカに押し付けたキリトに向って、軽く冗談や遊びのつもりで(あと少し恨み)、
「うわぁー、殺される! た、助けてくれぇ、キリトォ!」
 と少し大きな声で叫んだ。

 すると、流石は我が妻……ちゃんとノリを合わせて、
「キャァー! た、助けて下さい、キリトさーん!」
 と、俺と同じくらいの声でキリトに助けを求める。

「ほ、ほら、助けを求めてるわよ!」
「そ、そうだぜ! 助けたかったら、さっさと俺たちを見逃せぇ!」
 す
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