第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第五章 オレンジギルド
第37話 黒の剣士
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る短剣に手をかけて戦闘体制になる。ピナもシリカの頭の上から飛び、シリカの後ろに行ってサポートする気満々らしい。
俺もシリカとピナを見習い、腰の剣に手を置いた。
でもキリトは、
「いや……大丈夫だよ、シリカ。シリカ達が手を出すほどじゃない。……それに、シュウ達を待ってる間に準備もしたしね」
「へぇ。なら大丈夫か」
手を出して大丈夫と言ってきたので、俺も返事を返して剣から手を離す。
すると、俺たちの会話を聞いていたオレンジの一人が、何かぶつぶつ言い出した。
「キリトにシリカ……? あの格好に、盾なし片手剣……。それに《フェザーリドラ》の使い魔……。――《黒の剣士》と《竜使い》……?」
そしてロザリアに、
「や、やばいよ、ロザリアさん。こいつ……《ビーター》の攻略組だ……。後ろの奴らも、多分相当レベル高い……」
と、男が言う。その言葉に残りのメンバーの顔が、一様に強張った。
ロザリアも言葉を聞いてたっぷり数秒間、口をぽかんと開けてから、我に返ったように甲高い声で喚いた。
「こ、攻略組がこんなところをウロウロしてるわけないじゃない! どうせ、名前を騙ってびびらせようってコスプレ野朗に決まってる。それに――もし本当に《黒の剣士》だとしても、この人数でかかればたった一人くらい余裕だわよ!! 《竜使い》も最近じゃ攻略組じゃないって話しだし、《黒の剣士》ほどじゃないわ!!」
へぇー、シリカが攻略組を今は抜けている事を知っているってことは、一応情報収集はちゃんとやってるんだな。
そんな風に感心していると、そのロザリアの声に勢いづいたように、男たちは口々に同意を喚きながら、前に出ていたキリトに一斉に斬りかかる。まずはキリトから――って考えらしい。
そしてその斬られているキリトはというと……まったく動かずにいた。
「オラァァァ!!」
「死ねやァァァ!!」
そんな動かないキリトに向って、半円形に取り囲みながら男たちは次々ソードスキルを放つ。
……そんなに頑張っても無駄なんだけどなぁ。
そう思いながら、俺とシリカはさっきの位置よりも少し後ろでキリトと男たちを見ていた。
そして、攻撃を受けていても全然死なないキリトを見て、男たちは不思議そうに手を止めると、
「あんたら何やってんだ!! さっさと殺しな!!」
苛立ちを含んだロザリアの命令を言われ、再び攻撃を再開する。
でも、一向に状況は変わらないでいることに疑問を感じた一人が手を止め、
「お……おい、どうなってんだよコイツ……」
異常なものを見るように顔を歪めながら、そう言いって一歩下がった。そして、それを呼び水になったかのように、残りの奴らも攻撃を中止し、距離を取る。
しんとした沈黙(
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