第二次篇最終部 第二部 神を断つ剣
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彼女と共に」
「おい、何なんだよそれ!!」
アラドが思わず叫んだ。
「それじゃあ何の意味もないじゃないか!!」
「そうよ!!」
ゼオラも言う。
「私達はイルイちゃんの為に今まで」
「いえ」
しかしイルイはそんな彼らに言う。
「貴方達は人造神の呪縛からこの星を救ったのです」
「けれど」
「それだけじゃあ」
「悲しまないで、皆」
イルイは皆に告げる。
「私はガンエデンが犯した罪を償わなければなりません。そしてこの星を貴方達に返さねばなりません」
「・・・・・・・・・」
「皆・・・・・・」
イルイは沈黙する皆に言ってきた。
「貴方達に出会えて幸せでした」
そう告げる。
「人の心を、大切なものを守る為の勇気を。そして愛を教えてもらえて」
「けれど」
「いえ」
ゼオラに対して言う。
「それで充分です。ですから最後に」
「最後に?」
「私の使命を果たさせて下さい」
「それは一体何なんだよ」
「それは一つしかありません」
アラドに告げる。
「この星を護るという使命・・・・・・」
「そんな・・・・・・」
「それじゃあ・・・・・・」
アラドとゼオラは目の前が真っ暗になるのを感じた。しかしイルイは言うのだった。
「早く・・・・・・バラルの園から離れて」
「けれど」
「私はもう・・・・・・」
「全機後退」
大文字が指示を出した。
「直ちにこの場から離脱する」
「博士!」
「それは!」
リーとブンタが必死の顔でそれを止めようとする。
「そうだぜ。それじゃあイルイが」
「助けないって言うんですか!?」
「聞こえなかったのかね・・・・・・」
ヤマガタケとミドリに対して告げる。血の滲むような声で。
「全機後退だ」
「し、しかし」
「それでは」
サコンもピートも今回ばかりは違った。必死な顔で大文字に言うのだった。
「だからこそだ」
大文字はその沈痛な声で述べる。
「イルイ君の・・・・・・彼女の決意を無駄にしてはならん」
「そんな!!」
ヒメがそれに声をあげる。
「それじゃあイルイちゃんは」
「わかっている・・・・・・」
大文字はまた苦しい声で呻くようにして述べた。
「私もまた・・・・・・」
「ふざけるなっ!」
カガリがそれに抗議する。
「ここまで来てそんなことが!」
「そうよ!」
フレイも言う。
「こんなところまで来て!」
「何で諦めなくちゃいけないのよ!!」
「カガリ・・・・・・」
ユウナがその彼女に沈痛な声をかけてきた。
「もう・・・・・・仕方ないんだよ」
「馬鹿を言え!!」
そのユウナを一喝する。
「このまま諦めてたまるか!」
「僕だってそうしたいさ」
ユウナはそのカガリに言うのだった。大文字と同じ声で。
「けれど・・・・・・もう」
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