第百五十八話 儚き末路
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二人は喧嘩に入った。皆はそれを見てやれやれといった様子だったが不思議と光はそんな二人を見て楽しそうに笑っていた。
「仲いいんだな、あの二人」
「えっ!?」
「何処が!?」
ルナマリアとメイリンはその言葉に目を丸くさせる。
「あの二人いつもああだけれど」
「何処が仲いいのよ」
「喧嘩する程っていうじゃないか」
光は二人の問いに笑顔で返す。
「だからだよ。シンもアスカも本当は仲がいいんだよ」
「そうかしら」
「本気で喧嘩してるようにしか見えないけれど」
二人は首を傾げる。しかし光は相変わらずにこにことしていたのであった。
その時だった。命が急にカップを落とした。カップは床に落ちて割れる音と共に砕け散ってしまった。
「命!!」
「大丈夫ですか!?」
「う、うん」
命は凱とクスハにそう返す。少し笑みを作って。
「ちょっと手がすべっただけだから」
「何だよ、脅かすなよ」
凱は命の笑みにまずはほっと胸を撫で下ろした。
「何事かと思ったぞ」
「御免なさい」
「セフィーロでの戦いは激戦だったものね」
海が言ってきた。
「疲れが残ってるんじゃないですか?」
「うん、そうかも
「でしたら少し休まれた方が」
風が声をかける。
「命さん、無理は禁物ですよ」
「そうだな」
それに凱が頷く。
「命、部屋まで送るぜ」
「心配しないで」
しかし命はにこりと笑ってこう返す。
「凱程じゃないけど私だってそれなりに体力はあるんだから」
「そうか。でも気をつけてくれよ」
それでも彼は命に対して言う。
「俺とガオガイガーには命の力が必要なんだからな」
「うん」
命はその言葉にこくりと頷く。とりあえずこの場は大丈夫であった。
大空魔竜の格納庫。ここでブリットは大次郎と手合わせをしていた。
「せいっ!!」
「チェストォォォォ!!」
派手に棒での突きを喰らう。急所はかわしはしたがそれでもかなりのダメージだった。
「くっ・・・・・・」
「一本!」
審判をしていた京四郎がそれを見て言う。
「そこまで!」
「大丈夫でごわすか、ブリット?」
「ああ」
ブリットはそれに応えて言う。
「手がしびれてるけどな」
「ブリット、剣を道具として使うな」
京四郎は起き上がったブリットに対して言う。
「自分の腕の延長だと思うんだ」
「手の延長・・・・・・」
「そうだ」
京四郎はまた言う。
「それが掴めれば戦闘にも役立つはずだ」
「今のままではか」
「装置等に頼るとかえって駄目になっちまう場合もある」
京四郎はこうも忠告する。
「それはわかっておけ」
「そうだな」
ブリットもそれに頷く。
「だから余計に」
「ブリット、もう一丁どげんね?」
「ああ」
ブリットはその言葉に頷く。
「頼む、大次郎」
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