第百五十八話 儚き末路
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じゃあ安心して」
「木星に行きますわ」
「うん」
二人の笑顔も見て光も満面の笑顔になる。屈託のない明るい笑顔だった。
おこでクスハが来た。得体の知れないものかと皆身構える。
「うっ」
「まさかそれは」
「どうしたんだ、皆」
光は急に身構える仲間を見て問う。
「急に身構えて」
「ああ、光は知らないんだったな」
シンが彼女に言う。
「クスハのは」
「クスハさんのは!?」
「ちょっとな。まあ特別で」
「心配しないでいいわよ」
クスハは困った顔で皆に言う。
「これは普通のコーヒーだから」
「何だ、そうかよ」
「驚かせるわね。また何かと思ったわよ」
皆胸を撫で下ろす。そのうえでコーヒーを飲みはじめる。
「じゃあカップを配るわね」
「うん」
「御願い、命さん」
「光達も飲めばいい」
ここで凱が三人に声をかける。
「命が淹れるコーヒーはGGGでも評判なんだぜ」
「じゃあ貰っていいかしら」
「ああ、どうぞ」
あらためて海に言う。
「幾らでもあるしな」
「それじゃあ私も」
「私も」
光と風もそれに続く。こうして三人は命のコーヒーを飲みはじめた。
「美味しいっ」
最初に声をあげたのは光であった。
「こんなに美味しいコーヒーはじめてだよ」
「そうね」
それに海が頷く。
「こんなに美味しいなんて」
「命さん、素晴らしいですわ」
「何かそんなに褒めてもらえるとね」
命も悪い気はしない。そんな顔だった。
「こっちも有り難いわ」
「コーヒーは大人の味なのよね」
アスカはここで誇らしげに言う。
「だから私には相応しいのよ。わかるかしら、シン」
「御前頭の中お子様じゃねえか」
しかしシンはすぐにアスカに返す。
「何言ってんだよ」
「言うわね」
アスカはその言葉にむっとした顔を見せてきた。
「また」
「何度でも言うぜ。お子様だってな」
シンも負けてはいない。また言い返す。
「コーヒーよりミルクでも飲んでろよ。カルシウムもあるしよ」
「あんたには言われたくないわよっ」
アスカはすぐに反撃を浴びせる。
「あんたこそお子様じゃない。頭の中がね」
「それは御前のことだ!」
シンはムキになってそれを弾き返す。
「胸だってねえしよ。何だよそのまな板!」
「胸は関係ないでしょうが!」
言われたくないことを言われたアスカはそれだけで本気になった。
「胸が大きいのも小さいのもあんたに関係ないでしょ!」
「胸が大きくなってから大人と言え!」
シンもかなり無茶なことを言う。無茶は承知していない。
「大体な、御前はそもそも」
「あんたこそね、今度こそ決着つけてやるわよ!」
二人は同時に立ち上がり言い合いをヒートアップさせてきた。
「上等だ!今日こそは!」
「覚悟しなさい!」
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