第百五十六話 三国の問題
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」
「そうなのか」
「ええ。だからちょっと時間が必要なのよ」
ミサトは言う。
「暫く待っててね」
「わかったぜ。じゃあ待ってな」
トッドが言ってきた。
「そういうことだったらな。時間を稼ぐのは得意だしな」
「期待してるわ」
「ああ、任せておきな」
ミサトにまた返す。
「そっちはな。けれど」
「けれど。何?」
「大丈夫なのかね、そのアルシオーネってのは」
「多分ね」
ミサトは一応は答えはする。歯切れが少し悪くなっていた。
「リツコ次第だけれど」
「そうなのか」
「ええ。それよりもよ」
ミサトはまた言ってきた。
「そっちは御願いね」
「ああ」
トッドはそれに頷く。
「さっきも言ったけれど任せておきな。いいな」
「わかった。じゃあな」
「ええ、御願い」
彼等は戦いに入った。その間にランティスはプリメーラと共に何処かへと向かっていた。
その後ろにクレフが来ていた。あらためて彼に問う。
「ランティスよ」
「導師クレフ」
「何処へ行くつもりだ」
「魔神を解放しに」
ランティスはそうクレフに答える。
「それが何か」
「何のつもりでだ」
クレフはまた彼に問う。
「まさか御主は」
「導師」
ランティスは彼の方を向いていた。そのうえで問う。
「俺が何故ここに戻って来たのか。それは」
「それは?」
「セフィーロの為だった」
彼は言った。
「しかしだ。今は違う」
「どういうことだ?それは」
「今はあの娘の為に戦いたいのだ」
それが今の考えだった。その為に行こうとしているのだ。
「だからこそ」
「嘘ではないのだな」
クレフはランティスに問う。
「それで」
「嘘ではない」
彼はそれをじかに述べてきた。
「俺は嘘は言わない」
「そうか、わかった」
クレフはその言葉を聞いて頷いた。
「では行くがいい」
そのうえでまた言った。
「御前の望む道をな」
「済まない」
「しかし。よいのだな」
あらためてランティスに問う。
「あの娘はザガードを」
「どうでもいいことだ」
ランティスはそれには構わなかった。
「あの娘にも言った。兄には兄の考えがあった。そして」
「あの娘にはあの娘の」
「一人の女を取るか世界を取るか」
ランティスは言う。
「それだけのことだ。兄は」
「そうか」
「そうだ。運命を受け入れたうえでな」
「運命を受け入れてか」
「ならぼ俺も」
ランティスは再び前を向いた。
「行くだけだ」
「わかった。ならば行くがいい」
クレフももう止めはしなかった。ランティスに言う。
「御前の道をな」
「必ず。助ける」
前を歩きながら言った。
「必ずな」
「うむ」
その頃光は海、風の援護を受けてノヴァと戦っていた。それは相変わらず激しい戦いであ
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