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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第15話 馬鹿のヤケクソ恐ろしい
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民達の死体。そしてこの光景を作りだした、幻獣・魔獣・亜人の姿。
しかしヴァレールは、激昂する訳にはいきませんでした。数人の部下に、増援と伝令を命じます。
作戦は幻獣・魔獣を魔の森に誘導し、先程と同じ要領で撒くことです。
ヴァレールは幻獣・魔獣を引き付け、魔の森まで誘導する事に成功しました。
一方で亜人の対応は、遅れに遅れました。捜索隊を組織し魔の森に向かわせた事により、余剰人員が居なかったのが原因です。
そこでロベール殿は、護衛と少ない兵員をつれて自ら亜人討伐に向かいました。
結果は、……酷いものでした。
亜人はドリュアス領からの救援により、なんとか撃退に成功。しかし、この戦闘でロベール殿が死亡。
今回の一件により、魔の森の浸食が進行し、南西からクールーズ領全体の約4分の1が呑まれました。
そしてヴァレールはその後の捜索で、死体で発見されたました。
本当に酷い。散々な結果です。
母上は全て話し終ると「眠りたい」と言って、寝室に引っ込んでしまいました。
しかし残念な事に、本当の最悪はここからでした。
今回の一件で父上に与えられた褒賞が、旧クールーズ領のだったのです。領主が死んだばかりで、混乱している土地を貰っても嬉しくありません。更に魔の森に接する面積が、物凄く増えてしまいました。これはドリュアス家にとって、マイナスになる褒賞です。ハッキリ言って要らないです。
なんでも「旧クールーズ領を治められるのは、ドリュアス子爵をおいて他に無い」と、王からお言葉を頂いたそうです。国王よりそこまで言われてしまっては、トリステイン貴族として受けない訳には行きません。その上更に、父上は魔の森の調査を命じられてしまいました。
国王の本音は魔の森の拡大防止の為の費用を、ドリュアス家に押し付けたかったようです。さらに今回の一件で、旧クールーズ領の領民は貴族に対して、大きな不信感があるはずです。そこでクールーズ領の発展に協力し、逸早く救援に参上したドリュアス家に任せる事で、その不信を和らげるのが狙いのようです。
更にこの褒賞を、王に進言した人間が居ました。
新しい高等法院長です。
その名前に見覚えが有りました。
……リッシュモン。
見間違いか? と思いましたが、どうやら違う様です。
同名なだけか? と思い、父上に聞いてみると……
「リッシュモン殿か? 如何言う人物かと聞かれてもな……。確か10年前にダングルテールにて、疫病が発生した事があったな。その時汚れ役を買って出た、人格者と聞いている。それに、今回の逮捕劇の情報提供者だ」
(チ・ガ・イ・マ・ス。それ疫病じゃ無くて、新教徒狩りですから。
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