暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第15話 馬鹿のヤケクソ恐ろしい
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、これ以上の拡大を阻止する為、防衛線を敷かねばなりません。しかも王都トリスタニアまで、障害らしき障害が無いのです。防衛線は、これまでの規模とは比較にならない程に大規模な物となるでしょう。

 それは近隣の重要拠点である、ラ・ロシェールにも大きな影響を与えます。その原因は、防衛線とアルビオンとの貿易航路が近過ぎる所為です。警備の為に航路と運航スケジュールに制限がかけられ、貿易収入の激減が予想されます。

 ただでさえトリステイン王国は、国力の乏しい国なのです。この防衛費増大と、貿易収入の激減に国が傾きかねません。

「本当に馬鹿貴族共は、自分の事しか考えてないですね。我儘を言うだけなら、子供にだって出来ます。それが駄目なら癇癪起こして人様に迷惑かける。……しかも力と身分を持っているから、下手なテロリストより性質(タチ)が悪いです」

 私はつい口にしてしまったこの事実に、溜息しか出ませんでした。

 そして私の心は、この状況で待つ事しか出来ない事に、無力感でいっぱいになりました。



 母上が帰って来たのは、それから4日後の昼でした。ディーネとアナスタシアを連れ、母上を出迎えます。

「お帰りなさい。母上」「お帰りなさいませ」「おかえりなさい」

「ただいま戻ったわ」

 力無く挨拶を返す母上は、かなり疲れた表情をしていました。しかし、話を聞かずにはいられません。

「母上。お疲れの所申し訳ありませんが、話を……」

「ギル!! お母さまは疲れています」「そうよ」

「話は、少し休んでか……」

「良いのよ。ディーネちゃん。アナスタシアちゃん。……執務室に行くわよ」

 ディーネが私を諌めようとし、アナスタシアが追随しましたが、それを止めたのは母上でした。

「はい」

 ディーネとアナスタシアの目が私を非難していましたが、今回は無視させていただきました。

 そして執務室に移動すると、母上は今回の騒動の結果を話し始めました。



 予想通り、敵の狙いはクールーズ家だった様です。ドリュアス領に来たのは、少数の飛行部隊のみでした。

 ドリュアス領とモンモランシ領は、被害らしい被害を受けませんでした。しかし敵の囮作戦は、成功してしまいます。

 飛行部隊は早い段階で殲滅出来たのですが、飛行部隊の1人が最後に「地上に別働隊が居る」と言い残したのです。十中八九嘘だと分かっていても、確認をしない訳には行きません。母上達は、この確認に時間を取られてしまったのです。

 東に迂回した敵はモンモランシ伯が捕まえ、西側に迂回した敵はクールーズ家と連携をした近隣領主が防いでくれました。迂回を狙った敵は想定より数は少なく、囮か上手く行けば儲けもの程度の期待しかしていなかったのでしょう
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