暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第15話 馬鹿のヤケクソ恐ろしい
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買っているのは、抗争の矢面に立っていたクールーズ家のヴァレールです。馬鹿貴族達はその戦力の大半を、クールーズ家に向ける可能性が高いでしょう。しかし敵は馬鹿で阿呆ですが、悪知恵はだけは働きます。

 《乱風》のシルフィアの名は、《烈風》のカリンと比べると知名度に大きな差がありますが、軍関係者にはかなり有名です。

 本来なら《乱風》のシルフィアが居るドリュアス領は、避けるべき地のはずです。しかしあえて戦力を割いたのは、援軍を遅らせる為の陽動と考えるのが妥当です。

(馬鹿貴族の狙いは、救援を遅らせて被害を拡大させる事)

 しかし分かっていても、すぐに救援を出す訳には行きません。現状では敵の手がほぼ間違いないと言っても、絶対ではないのです。もし救援を出した後に、敵の全てがドリュアス領に来る事になれば、守り切れない可能性が高いのです。

 更に敵には、もっと簡単で確実な手があります。ドリュアス領やクールーズ領を大きく迂回し、こちらの補足範囲外から一度魔の森に入り、魔法を放ち幻獣・魔獣達を引き連れ領内に突入する方法です。普段なら証拠が残り過ぎる為、絶対に使わない手ですが自棄になっていれば話は別です。

 モンモランシ伯には、この時の為に防衛線を敷いてもらっていますが、これを絶対の物と過信する訳には行きません。

「……ギル。領は大丈夫でしょうか?」

 ここでディーネが、不安から私に話しかけて来ました。アナスタシアも不安そうにしています。

「ドリュアス領は問題ありません。守備隊は優秀ですし、母上と言う最大戦力が居ますから」

 私は歩きながら説明します。

「敵の目標はクールーズ家です。現状で馬鹿共に一番恨みを買っていますし、ドリュアス領に仕掛けるのは、クールーズ領への救援を遅らせる為の策でしょう」

 ここで館の扉を通過し中に入ります。

「だから家は心配ありませんよ」

 私は一度立ち止まり、アナスタシアの頭を撫でてやります。

「……うん」

 アナスタシアは私の言葉を信じ、頷いてくれました。

 しかしディーネは、私がドリュアス領“は”心配無いと言った事を気にしている様です。不安が隠し切れていませんでした。アナスタシアが不安に思うので、そんな顔をしないでほしいです。

 そこで心を落ち着かせる時間をとる為に、稽古着から普段着に着替える名目でいったん解散をします。

 ドリュアス家にとって、クールーズ家の安否は重要な意味がります。理由は、防衛範囲の拡大による負担増加です。これだけで支出は大幅に増え、(働き手を防衛に駆り出すから)収入も落ち込みます。

 そして一番重要なのが、トリステイン王国の国力です。

 クールーズ領のすぐ北は、王領です。クールーズ領が魔の森に呑まれれば
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