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とある星の力を使いし者
第40話
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一方通行(アクセラレータ)達との間に鉄の矢が何本も飛んできた。
まるでこれ以上は先に進ませない、と言わんばかりだ。
彼らは周りを見渡すがそれらしい人物はどこにもいなかった。
視線を再び一方通行(アクセラレータ)達に向けた瞬間だった。
そこに漆黒の服を着た、白髪の男、麻生恭介が地面にめり込んでいる矢の前に立っていた。
彼らはすぐにサブマシンガンを麻生に向ける。
麻生はサブマシンガンを向けられても表情一つ変える事無く、後ろで倒れている一方通行(アクセラレータ)に視線を向ける。
そして小さく笑うと視線を再び前へと向ける。

「何が目的で此処に来たかは聞かないでおこう。
 どうせロクでもない理由だってことは分かっている。」

麻生がそう言った瞬間、十五人が持つサブマシンガンの引き金が一斉に引かれる。
何百発もの銃弾が麻生に向かって放たれるが、その弾丸の速度は徐々に落ちていき最後には麻生の目の前で止まる。
その光景を見た覆面達は驚愕の表情を浮かべる。

「さて、今日は色々あったからもう能力使用時間は五分くらいしか残っていないんだ。」

誰かに聞かせる訳でもなく独り言のように呟きながら麻生は一歩ずつ前に進む。

「だから、手加減なんて出来ないから覚悟しろよ。
 殺しはしない。
 だが、死んだ方がマシだと思える体験をさせてやるよ。」








「手術完了。
 うん、みんなご苦労様といったところだね?」

その声で芳川桔梗は目が覚めた。
蒼いタイル張りの床や壁が見え、天井だけは真っ白で天井近くの壁にはガラスの窓がズラリと並んでいる。
緑の帽子で髪を完全に包み、同色の大きなマスクで口よ鼻を塞いだ中年の男が桔梗の顔を覗き込んだ。
そしてようやくここがどこなのか分かった。

「なんて趣味の悪い。
 部分麻酔で心臓手術をするだなんて。」

「負担は軽い方が良いだろうからね?」

「しかし、そうすると、わたしは生き残ったのね。」

「ああ、一方通行(アクセラレータ)のおかげでな。」

桔梗の耳に聞き慣れた声が聞こえた。
視線を冥土返し(ヘヴンキャンセラー)が覗き込んでいるとは、逆の方に向けるとそこに麻生が桔梗の顔を覗き込んでいた。

「あいつ、意識を失っているのにお前の身体に触れて血流操作していたんだ。
 おかげで本来は即死の筈だったのだが今はこうして生きているという訳だ。」

「彼はどうなっているの?」

桔梗の問いかけに冥土返し(ヘヴンキャンセラー)が答える。

「頭蓋骨の破片が前頭葉に刺さっているみたいだね?
 僕もこれから応援に向かうけど前頭葉が傷ついているから言語機能と計算能力、この二つには影響が出るね?」

それは|一方通行《アクセ
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