第40話
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よ。
今さら・・・・)
一方通行の意識が闇に落ちていきながら思った。
(誰かを救えば、もう一度やり直す事ができるかもしンねェだなンて)
「やった?どうして、ハハ。
どうして・・・・私は生きているのだ?」
額をぶち抜いた一方通行は一メートル近く後方へ飛んで仰向けに倒れていた。
この光景を見ていた天井は呆気に取られていた。
どういう訳か知らないが、今の一方通行は「反射」を使わなかった。
天井が使った弾は普通の弾とは違い学園都市の特注試作品だ。
それを額のど真ん中に受けたのだ、生きている訳がない。
「死んだ、な。
ハッ!最終信号は、ウィルスコードは!?」
天井は路上に倒れている死体から視線を外し助手席の上で意識を失っている少女へ目を向ける。
ウィルスが起動していなければ彼は破滅だ。
学園都市と敵対勢力、その双方から追われる身となってしまう。
「コード000001からコード357081まで不正な処理により中断されました。
現在、通常記述に従い再覚醒中です。
繰り返します、コード000001から・・・・・」
天井の全身の水分が、汗になって噴き出した。
ウィルスが起動していれば、最終信号はミサカネットワークを経由して一万人弱の「妹達」全員に「武器や能力を駆使して、手当たり次第に人間を殺せ」という命令文を送り込んだ後に、自分の心臓を自分で止めて死ぬはずだった。
それは最終信号経由で、暴走の取り消し命令を出させないための工作である。
にも拘わらず、最終信号はまだ生きている。
ウィルスは起動しなかった、それが何を意味するかを天井亜雄は知った。
そしてもうどうする事もできない事を知ってしまった。
「は、はは。
ぅ、あ、が、うォォアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
天井亜雄は絶叫して銃口を助手席で眠り続ける一人の少女に向ける。
天井は何も考えていない。
とにかく空になっても撃ち続けてやるという事しか考えていない。
炸裂する銃声、ただしその銃弾は少女の身体を貫かない。
「させるかよォ、くそったれがァ!!」
死体が起き上がった。
裂けた額からダラダラダラダラと血を流しながら天井の銃口を遮るように手を広げていた。
「反射」した弾丸は綺麗に銃口へ吸い込まれ、拳銃が内側から爆発した。
銃把を握り締めていた天井の手首がズタズタに引き裂かれる。
「う、ぐ・・・・ァあああああああ!?」
天井はザクロのように
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