第39話
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打開策がある訳ではない。
一方通行の能力は運動量、熱量、電気量などの力の「向き」を変換するしか能の無い能力だ。
この能力を持っていて思いつく事は他人の皮膚に触れて血液や生体電気を逆流させ身体を爆発させるぐらいしか・・・・・・・・・・そこまで考えて、ふと一方通行は何かが引っ掛かった。
そして、一方通行の頭の中で言葉の切れ端が思い浮かび、無駄な言葉の切れ端を削除していくとある事に気づいた。
生体電気の逆流。
一方通行は力の種類問わずあらゆる「向き」を操作できる。
皮膚に触れただけで血液や生体電気を逆流する事が出来たのならそれを操作する事も可能なはず。
学園都市最強という事は学園都市で最も頭が良いということも意味している。
一方通行は顔を上げる。
「オイ、脳内の電気信号さえ制御できりゃあ、学習装置がなくてもあのガキの中の人格データをいじくる事ができンだよな?」
桔梗は何かを言おうとしたが一方通行が何をするか気づいたようだ。
「まさか、キミ自身が学習装置の代わりをするというの?
無理よ、確かにキミの能力はあらゆる力の「向き」を自在に操る事が出来るわ。
それでも人の脳の信号を操るだなんて・・・・ッ!」
「できねェ事はねェだろ。
現に「実験」中にゃ皮膚に触れただけで全身の血液や生体電気を逆流させて人を殺した事だってあるンだ。
「反射」ができた以上、その先の「操作」ができて不思議じゃねェ。」
実際に他人の脳内の信号を操った事など一度もない、必ず成功する自信もない。
だが目の前の少女を救うにはこの方法しかない。
「できっこないわ、そんなもの。
仮にキミの力で最終信号の脳内を操る事が出来ても、対ウィルス用のワクチンプログラムは完成していない。
もし失敗すれば犠牲になるのは一万人もの妹達、さらには学園都市、最悪は世界すら巻き込んでしまうのよ。
今のキミにワクチンを用意できる?
もう数分で起動準備を終えてしまうこの状況で!」
「できるさ。」
一方通行は即答し、桔梗は息を呑んでしまう。
一方通行の手には「検体番号二〇〇〇一号・人格要綱/感染前」のデータスティックがある。
これを使い、今の打ち止めの頭と比較して余計な部分を見つけ、それを正常なデータで上書きすれば良い。
だが、これをしてしまえば「ウィルス感染後」に得た記憶や思い出は全て修正データで塗り潰されてしまう。
あの出会いも、あの会話も、あの笑顔も、
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