第39話
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の子の言っている事をよく聞かせてもらえないかしら。」
「だから説明し」
「早く!!」
切羽詰まった芳川の声に一方通行はただならぬものを感じた。
一方通行は何をするまでもなく打ち止め絶叫のような声は届いているだろう。
「やっぱり・・・そうなのね。」
「何だよ?何が起こっている!?」
苛立つ一方通行に芳川は簡潔に答えた。
「ウィルスコードよ、暗号化されているみたいだけれど。
そのウィルス、もう起動準備に入っているんだわ。」
一方通行の全身が硬直した。
ウィルス起動は九月一日〇〇時〇〇分。
今は午後八時過ぎなのになぜ起動準備をしているのか、考えられる可能性は一つだけだ。
ダミー情報。
おそらく天井はわざと間違ったタイムリミットを伝えたのだ。
打ち止め小さな身体は電気でも浴びたように大きく仰け反った。
パソコンの画面も新たな警告ウィンドウで塗り潰される。
間に合わない、と一方通行は感じた。
桔梗はまだウィルスコードの解析が終わっていない、ワクチンも組んでいない、さらに設備のある研究所まで打ち止めを運ぶことも出来ない。
得体の知れない感触が一方通行の頭の裏をジリジリと焼いた。
その正体を知る前に、桔梗の冷静な言葉がその思考を無理矢理に断ち切る。
「聞きなさい、一方通行。
嘆くのはまだ早いわ、キミは手を打たなければならないの。」
「手?まだ手があンのか?」
「ウィルスはミサカネットワーク上へ配信される前に準備期間があるの。
時間は一〇分間、私が言いたい事は分かっているわね。
キミにできる事はただ一つ、処分しなさい。
その子を殺す事で、世界を守るのよ。」
どちらにしろ時間がくれば麻生が打ち止めを殺す。
その事を知らないしろ、その前に後悔の無いように一方通行自身で打ち止めを殺せと桔梗は言っている。
「クソったれが・・・・」
何を選んでどう進んだところで打ち止めはもう助からない。
「くそったれがああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
一方通行は歯を食いしばった。
あの操車場で二人の無能力者に殴られたのとは違う痛みだった。
比べ物にならなかった、それが失う痛みだと知った。
そして気づいてしまった、この少女はこの痛みを一万回もこの痛みを感じていることを。
一方通行は思わず叫んだが彼に
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