第39話
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を軽く蹴飛ばすと、その衝撃を操作して開きっ放しだった運転席のドアが勢いよく閉じる。
今まさに車の外へと逃げ出そうとしていた天井はドアに挟まれ、肺の中の空気を全部吐き出しずるずると地面の上に崩れ落ちてピクリとも動かなくなった。
「あー、悪りィな。
メチャクチャ地味な倒し方で、まァ死ぬよかマシだろ。」
返事は返ってこない、そもそも最初から期待していない。
一方通行は助手席を見ると助手席が優しい揺りかごのように優しく一人の少女を抱えていた。
「手間かけさせやがって、クソガキが。」
一言だけ、一方通行が呟くと携帯電話を取り出して桔梗に連絡する。
「芳川か?
ああ、ガキなら保護したぜ。」
打ち止めには電極のようなものがついていてこれを通じて打ち止めの健康状態を測っているのだ。
桔梗も培養器と学習装置を車に積み込んで一方通行の元に向かっているようだ。
ウィルスコードは八割方くらい解析できたと桔梗は言っている。
状況的にはギリギリだが必ず間に合わせる、と力強く言った。
普段の彼女らしくないと一方通行は眉をひそめる。
一方通行は知らないがもしウィルスを解除できない事になれば、どこかにいる麻生が打ち止めを殺す。
桔梗は愛穂と一緒に小さい頃から麻生を見ていた。
だからこそ彼に殺人なんてことをさせる訳にはいかない。
そして自分の存在価値を否定してまで一方通行は打ち止めを救おうとしている。
そんな二人を見捨てるわけにはいかない。
その決意を胸に秘めて桔梗は車を走らせる。
一方通行はようやくこの事態が解決の方向へと動きつつあることを感じ少しだけ肩の力を抜いた。
その瞬間だった、突如打ち止めが叫び出したのだ。
少女の華奢な身体は打ち上げられた魚の様に暴れまわっている。
電極に繋がっているノートパソコンのモニタの中には無数の警告文のウィンドウで埋め尽くされていた。
「くそ!オイ芳川、これはどォなっている!?
これも何かの症状の一つなのかよ!」
「落ち着いて、一から順に説明して!
それだけでは状況は伝わらないわ。
そうね、あなたの携帯電話にカメラはある?
テレビ電話の機能があれば一番好ま・・・」
言いかけた芳川の声が驚きに息を呑んだように途切れた。
ウソ、マサカ、デモコンナコトッテ、と芳川は独り言を呟いている。
「オイどォしたンだよ!
これって何か応急処置とかできねェのか!?」
「ちょっと黙って。
キミ、そ
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