第39話
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さな鏡にある人物が映っていた。
白濁し白熱し白狂したような純白の超能力者が。
「ぃ、ひ!」
天井の喉から変な音が漏れた。
一方通行は迷わず天井の乗るスポーツカーへと近づいてくる。
天井には一方通行が何をするために来たのか分からないが、あの一方通行が何かをしようとしているという事が危険なのだ。
天井の着ている白衣の懐には拳銃が収まっているがそんなものでどうにかできる相手ではない。
ならばどうするか、逃げるしかない。
ガチッと天井は車のエンジンキーを握りしめて鍵穴に挿し込もうとするが、手が震えているのでなかなか挿す事が出来ない。
泣きそうな顔になって何度も何度も挿し損なって、ようやくキーが刺さり勢いよく回すとエンジンが唸りをあげた。
緊張のあまりに天井はクラッチ操作を間違えて、スポーツカーは尻を蹴られて跳ねるように前進する。
一方通行はいかにも慌ててますと、言わんばかりの乱暴な発信をする天井の車をニヤニヤ、と笑って眺めていた。
(さって、と。
あのガキは・・・乗ってンのか。
てっきりトランクにでもぶち込まれていると思ったンだが、まァ天井にとっても死なれちゃ困る相手だろォしなァ)
適当に考えながら一方通行はわずかに身を落すとダン!、と地面を蹴る。
一瞬で一〇メートル近く上方へ飛び上がった一方通行はそのまま天井のスポーツカーを追い越して目の前へと着地した。
天井の顔が引きつりハンドルを切ろうとするが、対処が遅くそのまま砲弾のような勢いで一方通行へ突っ込んだ。
金属を押し潰す轟音が響くが潰れたのは一方通行ではなく自動車の方だった。
真っ直ぐ突っ込んでくる車の「向き」を全て真下へと変換されたのだ。
スポーツカーの四本のタイヤは一瞬でパンクし、ホイールが卵型に歪み車高は完全なるゼロに変貌し、アスファルトの中へ数センチもめり込んだ。
車体そのものが歪んだのか、前後左右全てのガラスが粉々に砕け散った。
これだけ自動車が破壊されているのに中にいる人は全くの無傷だ。
これが学園都市最強の能力者である一方通行の実力だ。
「ぃ、ぎ・・・く、くそ!!」
天井は何度もアクセルを踏むが、ホイール自体の形が歪み泥よけに食い込んでいる。
この状態では車が動く訳がない。
一〇秒以上も経ってようやくその事に気づいた天井は打ち止めを切り捨てて、運転席のドアを勢いよく開けどこかに逃げようとする。
「落ちつけよ中年、みっともねェっつの。」
ガン、と一方通行は車のドア
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