第39話
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ツカーに乗っている天井の車の助手席には毛布に包まれている最終信号が眠っていた。
全身汗だくで呼吸は浅く、医療に携わっている人物ならいかに危険な状態であるかすぐにわかるだろう。
天井は焦っていた。
最終信号にウィルスを注入するところまでは順調だった。
だが、注入した途端に逃げ出してしまったのだ。
この時点で天井の「計画」は崩れ始めた。
未調整の肉体である最終信号は長くは生きていられない。
もしウィルス起動前に死んでしまえば世界中に散らばった妹達にウィルスは感染しない。
そうなれば学園都市の外にいる学園都市に敵対しているメンバーに見放され、最悪は抹殺されてしまうかもしれない。
天井には莫大な借金があった。
量産型能力者計画の責任者であった天井だが、量産型の低い性能では超電磁砲を再現する事が出来ず、計画が頓挫し、研究所が閉鎖になった時に莫大な借金を抱えてしまった。
だが、一方通行の絶対能力計画に拾われて何とか借金を返せると思った。
が、その計画の永久凍結となっている。
このままでは借金を返す事が出来ない。
だからこそ、得体の知れない連中、つまり学園都市に敵対している勢力を手を組んだ。
しかし計画の核である最終信号がウィルス起動前に死んでしまったら、この敵対勢力に見放され奈落の底まで落ちる羽目になる。
(くそっ、くそ!
そうだというのに、何で!!)
天井は狭いスポーツカーの車内でハンドルを殴りつける。
逃げ出した最終信号を今日になってようやく捕まえる事が出来た。
後は最終信号を連れて学園都市を出れば、外にいる敵対勢力に保護してもらえるのだがさらに最悪な事態が起こっていた。
「外」から何者かが学園都市の警戒網を突破して強引に街の中に侵入したのだ。
そのせいで警戒強度は昼間の時点でオレンジ、今ではレッドまで達している。
このオレンジ、レッドの度合いについての説明は省くが、要は学園都市の内外の出入りが完全に禁止する事を意味していた。
どこかに逃げようにも至る所に検問が設置されており突破することも出来ない。
さらに助手席には毛布一枚の裸少女を連れているのでますます突破する事は出来ない。
天井は学園都市の「外」どころか、街の一ブロックからも逃げられなくなっていた。
そうして起動するかどうか分からないウィルスに全てをかけて狭い車内で震えてた時だった。
天井はふと、本当にただ視線をあげてたまたまルームミラーが視界の中に入った時に天井の眼が大きく見開かれた。
工法を映す小
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