第38話
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の再調整ならわたしに任せなさい。」
芳川桔梗はそう答えると一方通行はきびすを返して封筒を手に持ち研究所から出て行った。
誰もいなくなると桔梗は小さく息を吐いて言った。
「さぁ、もう姿を現しても問題ないわよ。」
「そんなの見れば分かる。」
この部屋には桔梗しかいないのに部屋から別の声が聞こえた。
そして桔梗が座っていた椅子の隣にテーブルに腰を預けて立っている麻生恭介の姿が現れた。
彼は一方通行がこの研究所に来た事が分かり自身の周りの屈折率を操り姿を隠していたのだ。
「説明は全部聞いていたわよね?」
「ああ、今が学園都市の危機である事は充分にわかった。」
「それならこのコードの解析を手伝ってくれないかしら。」
桔梗は麻生の能力を他の誰かよりか知っている。
だから携帯で麻生を此処に呼んで手伝ってもらおうとしていたのだ。
麻生に詳しい説明をしようとした時、一方通行がやってきたという事だ。
ちなみに昼間の一件が思ったよりも時間がかかり愛穂を待ちくたびれさせ、食事をしている時に桔梗から電話がかかりそこで別れたのだ。
待ちくたびれたあげく対して話も出来ないまま、そのままファミレス内で別れたので愛穂の機嫌はすこぶる悪くなっていた。
麻生は後で何かフォローしておかないとな、と考えそのまま研究所を出て行こうとする。
「ちょっと待ちなさい。
一緒にこれの解析を「俺は手伝わない。」・・・なんですって。」
麻生の思わぬ返答に桔梗の驚愕の表情を浮かべる。
「この一件に一方通行が関わっているのなら俺が手出ししていい問題じゃない。
あいつは今変わりかけている、それを邪魔する事なんて俺にはできない。」
「そんな事を言っている場合!?
もし、一方通行が最終信号を保護できなかったら学園都市は・・いいえ、世界が崩壊するのかもしれないのよ!!」
「アイツは打ち止めを救う。」
麻生は桔梗の目を真っ直ぐ見つめ答える。
「どうしてそれが分かるの?」
「アイツは俺とよく似ているからな。
だから何となくわかるんだよ。
俺が姿を消したのも俺が協力する事が分かれば、おそらくアイツは俺に全部任せていつもの一方通行に戻るだろう。
これは一方通行の物語だ。
俺が手出ししちゃあいけないんだよ。」
桔梗は麻生が手伝わない事を分かると大きくため息を吐いて椅子に座り直す。
そして、呆れたような表情で言った。
「キミ、変ったわね。」
「俺は変わった記憶はないがな。」
少しだけ笑みを浮かべ
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