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とある星の力を使いし者
第38話
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界の終わりという言葉の意味を他の誰よりもリアルに想像できた。

「ハッ、面白ェな、そいつァ最高に面白ェわ。
 そいつァ俺の仕事だとずっと思ってたンだがなァ。
 で、結局オマエはここでナニやってンだ?
 ガキの頭ン中に入ってるウィルスはどう止める?」

「それを今調べてるの。」

桔梗の顔にわずかだが焦燥の色が見える。
リミットまであと数時間というこの状況でワクチンプログラムを作りだし、打ち止め(ラストオーダー)を見つけて注入する。
正直、勝算は五分かそれ以下だろう。
もしワクチンが間に合わなかったらどうするか、答えは簡単だ。
ウィルスに犯された個体を「処分」すればいい。
そうすれば「外」にいる九九六九人の妹達(シスターズ)はウィルスコードの感染から守られ、何事もない日常を送る事ができる。

「そうならないために努力しているのよ。
 もちろん、キミにだって何かは出来る。」

一方通行(アクセラレータ)の考えている事が分かったのか桔梗は静かに言った。

「誰にモノ言ってっか分かってンのかオマエ。
 俺ァアイツらを一万人ほどぶっ殺した張本人だぜ?
 そンな悪人に誰を救えって?
 殺す事ァできても救う事なンかできねェよ。」

「キミにそれをさせたのはわたし達だった。
 キミは「妹達(シスターズ)を使わなくても絶対能力(レベル6)へ進化できる方法」を見つける事が出来れば、キミは誰も殺さずに済んだのだから。」

「そンな一言だけで、オマエを信じて従えって?」

「やりたくないのなら、仕方がないわね。
 わたしにキミを拘束するだけの力ないもの。
 最後に残った時間をご自由に過ごしなさいな。
 そして祈りなさい、願わくばウィルスが起動する前にあの子の肉体が限界を超えて死滅しますようにって。」

一方通行(アクセラレータ)は桔梗の顔を見る。
彼女はいつもと変わらずそこに佇んでいる。

「わたしにはあの子を捕まえる事が出来ない。
 「研究者を見たら無意識に逃げる」というあの子の特性は、わたし達の身体から放出される微弱な電磁場のパターンに強く依存している。
 たとえあの子の視界に入らなくても電磁場を検知して逃げてしまうわ。
 そこをクリアする事が出来れば近づけるけどわたしはこのコードを解析しないといけない。
 けど、キミがいるのなら話も変わる、二人で手を組めば何とか道は開けるかもしれないの。」

「クソったれが。」

そう言って一方通行(アクセラレータ)は黙り込む。
一方通行(アクセラレータ)はこの女が嫌いだ、なにが嫌いかというととにかく甘いのだ。
何かを背負うほどの強さがないから、どこまで行っても優しさにはならない。
桔梗は大きな封筒を二つ手にする。

「キミ
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