第38話
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あと、検体調整用の設備一式借りンぞ。
理由は聞くな、「実験」の凍結で未払いのままンなってる契約料だと思ってくれりゃあイイさ。」
一方通行がそう言うと桔梗は少し驚いた顔をした。
「少し待ちなさい、どうしてキミが知っているのかしら?
わたしですら、つい三時間前にやっと気がついたというのに。」
「あン?」
「だから、これの事でしょうに。」
桔梗は自分が持っているデータ用紙をひらひらと振った。
それは学習装置のスクリプトだった。
妹達は特殊な培養装置によって、およそ一四日で製造される御坂美琴のクローン体だ。
その人格も普通の「学習」では形成できないので彼女達の人格と知識を学習装置を使い脳に電気的に入力される。
桔梗が持っているのは妹達の心の設計図な訳だがそれを持っている桔梗を見た一方通行は眉をひそめる。
「ちょっと待て、オマエが今、眺めてンのは「実験」のデータじゃねェのかよ。」
「全く違うわ、どちらかといえば今は実験よりもこっちのデータの方が優先的ね。
これはね、人格データのバグを洗い出している所なの、ウィルスという表現の方が正しいかしら。」
桔梗は赤ペンでデータ用紙に印をつけながら説明する。
それを聞いた一方通行はさらに眉をひそめた。
「どォいうことだ?」
「キミには説明していなかったわね。
最終信号と呼ばれる特別な個体があるの。」
その単語を聞いた一方通行の首の後ろを電気が走るような嫌な感覚が走り回る。
「アイツが・・・何だと?」
「アイツ、ね。
やはり知っていたのかしら。
となると、あの子はまだこの街の中にいるのね。」
桔梗はデータ用紙から目を離して一方通行に視線を向け赤ペンをくるくる回しながら言う。
「まぁ、キミの知っている部分もあると思うけど、今一度改めて最終信号と今の現状について説明しましょう。
重要な事だからよくお聞きなさいね。」
テーブルから降りてキチンと椅子に座り直した。
桔梗は一瞬、視線を後ろに向けて軽く笑みを浮かべる。
一方通行はその笑みの意味がよく分からなかったが、そんなことを聞いている暇はなかった。
桔梗は一方通行の視線に気づいて説明を始める。
「そもそも、あの子は「実験」のために作られたものではないの。
その事はご存知?」
「何だァそりゃ?
ヤツらは超電磁砲の劣化クローン体で、「実験」で俺に殺されるために作られたンじゃな
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