第百五十四話 セフィーロ
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第百五十四話 セフィーロ
ティターンズとの戦いは終わった。これで地球人同士の敵対はまずは終わった。
しかしそれで終わりではなかった。木星での異変が伝えられたのだ。
「原種がですか」
「そうだ」
ミスマルがティターンズとの戦いを終え月で休養していた彼等に告げてきていた。
「空になった木星を占領した。そこを拠点にするつもりらしい」
「それは放っておくことができませんな」
大河がそれを聞いて応えてきた。
「今度は木星へ」
「うむ、頼めるか」
「当然です。それではすぐに」
彼等はミスマルの言葉に頷く。戦いはまだ終わりではなかったのであった。
ロンド=ベルは今度は木星に向かうことになった。その中でヒューゴとアクアは浮かない顔を見せていた。勝利に湧く彼等の中では異質であった。
「どうしたんですか、一体」
ゼオラが彼に問う。
「浮かない顔ですけれど」
「ええ。ちょっとね」
浮かない顔のまま彼女に応える。
「気になることがあって」
「気になることって」
「何ですか、それって」
アラドがそれに応える。
「まあ御飯でも食べながら」
「ええ、それじゃあ」
「アラド、食べるのはいいけれど」
ゼオラがここで彼に言ってきた。
「アクアさんの分も残しておきなさいよ」
「わかってるよ。何だよ、それって」
ゼオラの言葉に口を尖らせる。
「俺そんなに食ってるかよ」
「いつも丼で五杯でしょ」
そうアラドに返す。
「滅茶苦茶食べてるじゃない」
「まあ私はそんなに」
アクアはその言葉に応える。
「お昼食べたばかりだから」
「そうですか。まあとにかく」
「ヒューゴさんもどうですか?」
アラドはヒューゴにも声をかけてきた。たまたまそこを通り掛かったのだ。これも縁というものであろうか。
「一緒に」
「ああ。じゃあ」
彼はそれに頷く。そうして四人は食事を採りながら話に入ったのであった。もっともアラドは食べてばかりであったが。主にゼオラが二人の話を聞いていた。
「ティターンズだけれどね」
「もう降伏していますよ」
ゼオラはそう答えた。
「けれど何かあるんですか」
「ええ、あるの」
彼女は答える。
「あの中に先生がいなかったから」
「エルデ=ミッテ博士が」
「そういえばそうですね」
飯をかっこんでいるアラドもふとそれに気付いた。箸を止めて言ってきた。
「ゼダンの時から急に」
「宇宙の渦でも」
「それを。どういうことなのかしら」
「隊長もだ」
ヒューゴも言う。
「いなくなった。どういうことかわからないが」
「脱走でしょうか」
ゼオラはふと述べてきた。
「若しかしたら」
「いや、違う」
だがヒューゴはそれを否定した。首を横に振る。
「隊長はそんなことはしない
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