第百五十四話 セフィーロ
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「何か面白そうな二枚目がいるな」
「ランティスっていうねん」
カルディナが彼に答える。
「ザガートの弟やで」
「そうなのか」
「強いんやけれどな」
彼女は言葉に何かを含ませてきた。
「ただな」
「ただ。何かあるのかよ」
「いや、実はや」
「カルディナ」
ラファーガが彼女の言葉を止めた。
「それ以上は」
「わかったわ。じゃあ口チャックしとくわ」
そう言って黙る。そこに小さな妖精が来た。
「あれっ」
チャムが彼女に気付く。
「貴女フェラリオ?」
「私のこと?」
その妖精もチャムに気付いた。
「うん。そうなの?」
「違うわ。私はプリメーラっていうの」
そう名乗ってきた。
「宜しくね」
「うん、こちらも」
「けれど何か不思議ね」
リリスもプリメーラのところへやって来て声をかける。
「こうして私達にそっくりな人達がまた出て来るなんて」
「そうね」
チャムもそれに頷く。
「声は違うけれど」
「声!?」
「なあチャム」
ヒギンズがチャムに声をかけてきた。
「この娘の声はアクアに似ていないか」
「そういえばそうね」
チャムもその言葉を聞いて頷く。
「何かね。そっくり」
「そうだな。面白いこともあるものだ」
「そういう貴女達も声が似てるわね」
プリメーラは三人に突っ込みを返した。
「何か不思議なものね」
「そうかな」
だがチャムはその言葉には首を捻る。
「別にそうは思わないけれど」
「そうなの。それでそのアクアさんって人は何処なの?」
「あの人よ」
リリスが紫の髪の女性を指差す。
「あの人ね」
プリメーラはアクアに顔を向けた。その顔を見る。
「奇麗ね」
「えっ、何?」
アクアはその言葉にすぐに反応を見せてきた。
「誰か私を呼んだ?」
「私よ」
プリメーラはにこりと笑って彼女に挨拶をした。
「宜しくね」
「ええ、こちらこそ」
アクアもにこりと笑みを返して彼女に応える。
「何か初対面だけれど他人のような気がしないわ」
「そうね」
「あと」
ここで丸くよく跳ねている白い生き物に気付いた。
「あれも」
「何だ、ありゃ」
トッドはアクアの言葉に顔を向けてその白い生き物を見た。一見うさぎに見える。
「見たことねえ生き物だな」
「モコナっていうんだ」
アスコットがアクアに答えてきた。
「セフィーロに一匹しかいない生き物なんだよ」
「一匹しか」
「そうなんだ」
彼はまたアクアに述べる。
「まあ魔法生物だと思ってくれればいいから」
「そうなの。何か不思議ね」
アクアはそのモコナを見ながら述べた。
「やっぱり他人のような気がしないわ」
「プウ、プウ」
モコナはそんな言葉をよそに楽しそうに跳ねている。
「何故かしら」
「それはそうとだ」
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