第百五十四話 セフィーロ
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そういえば動きが鈍くなっている」
マサトもそれに気付いた。
「どういうことなんだ、一体」
「くっ・・・・・・」
イーグルはコクピットの中で苦しい顔をしていた。光の相手をするのが精一杯といった顔であった。
「このままだと・・・・・・」
「どうした、イーグル」
ジェオがその彼に声をかけてきた。
「疲れか?」
「あっ、いや」
その言葉に逡巡したがここはそれで誤魔化すことにした。
「はい。少し」
「そうか。じゃあ今日はここまでだな」
「そうだね」
ザズもそれに頷く。
「それじゃあジェオ」
「ああ」
ジェオはザズの言葉に頷く。そして全軍に告げた。
「今日はこれまでだ。撤退だ」
「わかったよ。イーグル」
ザズはそれを受けてイーグルにも声をかけた。
「帰ろう、それでいいね」
「わかりました」
こうしてイーグルも撤退した。NSXはすぐに後方に退いていった。
サンユンはそれを見てすぐにアスカに声をかけてきた。
「アスカ様、私達も」
「下がれと申すのか」
「はい、頃合いです」
「ふむ」
「引くのも肝心ですぞ」
「わかっておるわ。爺に言われなくともな」
シャンアンを見上げて憮然として述べる。だがここはそれに従うことにした。
「それではな。撤収じゃ」
「はい」
彼女等も戦場を後にする。だがタータはそれを好機と見ていた。
「よっし、いったらんかい!」
ブラヴァーダの艦橋で関西弁で叫んでいた。これがチゼータの方言である。
「あの目障りな奴等がおらんようになったんや!このままや!」
「あら、タータったら」
そのタータにタトラがにこりと笑って声をかけてきた。
「駄目よ。もう時間よ」
「時間って」
「お茶の時間だから」
「お茶って姉様」
姉のその言葉に思わず言葉を詰まらせる。
「今は戦ってるのに。それは」
「いいから。もう潮時よ」
「うう・・・・・・」
「わかったわね。さあ」
「わかったわよ。それじゃあ」
「ええ」
チゼータも退いた。ロンド=ベルはセフィーロでの初戦を凌いだのであった。
「しかし」
ブライトは艦橋で苦い顔をしていた。
「どれも変わった相手だな」
「そうですね」
それにサエグサが応える。
「特にチゼータですか。あれは」
「そうだな。何か訳がわからないものがある」
「しかも強いみたいですよ」
トーレスも話に入ってきた。
「戦いぶりを見ていると」
「それはわかる」
ブライトは溜息と共にそれに頷いた。
「だが。それにしても」
「どれも曲者です」
「一旦セフィーロに戻ろう」
「そこで会議ですか」
「そうだ、今後のことをな」
ロンド=ベルは一旦セフィーロに戻った。今行われた戦いはこれで終わりであった。しかし彼等は闇で胎動する勢力に気付いてはいなかったの
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