修行と……
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も可能だ。
戦術次第で何とかなることもある。
それに梓だったか? 彼女の言う通り、自分の技術を再確認しておくのも良いかも知れん。
「良いだろう。鍛えてやる。訓練所に来い」
俺がそう言うと正太郎は一瞬硬直したが……
「おっしゃー!」
と雄叫びを上げ、訓練所に向けて脱兎の如く走り出していた。
「あんなに渋っていた割にはすぐに切り替えたわね?」
梓が胡乱気な目で尋ねて来る。
「集団戦を念頭に入れた戦術と立ち回りを教えた方が、俺の剣を教えるよりは現実的だ」
「成る程ね」
「確かにその通りですね」
俺の言葉に納得したようだ。隣の眼鏡を掛けた女と受付嬢も手を叩いて頷いている。
「ヴォルく〜ん!」
「ん?」
神無と夏空が近付いて来た。
「正太郎さんを鍛えるって本当なんですかぁ?」
「ああ」
そういえば、訓練所は農場の道の分かれ目にあったな。そこで奴に聞いたのか。
「俺は少し腹ごしらえをしてから向かう」
「え? 正太郎さん、訓練所に着いてる頃だよ?」
「時間を聞かなかった奴が悪い。言う暇も無かった」
だから軽く食事を取ってから向かう。奴の相手を勤めるには泳いでガノトトスから逃げる位の労力を伴いそうだからな。
「訓練所に用があるのなら奴に伝えておいてくれ」
俺はそう言って一行に背を向けて、適当に食事にありつける店を探し始めた。
……この時気付いておくべきだった。小冬が『計画通り』とばかりにほくそ笑んでいたことに。
食事を終えたヴォルフが訓練所に辿り付いてみれば、待っていたのは訓練用の武器防具で完全武装した神無達だった。
待ち時間を有効に使っているのか各自で訓練を始めていたが、ヴォルフを見て全員が手を止めた。
正太郎は待ってましたとばかりにガッツポーズをし、神無は少し困った顔でヴォルフに微笑み、夏空は相変わらずの柔らかい微笑を向け、小冬はニヤリと底意地の悪い笑みを浮かべる。
そしてそんな面々に並ぶように、同じく完全武装した椿と梓がいた。
どうしてこうなった? ヴォルフは内心そう思った。厄介事がまた増えた。いつもの事とはいえ、ユクモに着任してから増えた気がするのは何故だろう?
しかし、現実からは目を背けられない。ヴォルフは気を取り直して梓と椿に話しかけた。
「……何故お前達まで?」
ヴォルフは嫌な予感を感じつつも尋ねた。
「私達も鍛えて貰えないかしら?」
「ついでに〜」
ヴォルフは瞬時に誰の仕業か見抜き、犯人を見ると本人は――――――
「集団戦を主体とするなら、普段組んでる面子も一緒の方が良いでしょ? 私達が訓練を受けた後にその成果が差に出たら後が困るし」
と、尤もな正論を出してくれた。
理屈で断るのは不可能だ。こうなるとヴォルフは拒否する術
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