第六話 決断
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
……看病なんてしたこと無いからよく知らないが。
「テスタロッサ……フェイト・テスタロッサで良いんだよな? 名前」
「うん、合ってる」
一瞬何で知ってるのかとの疑惑の目を向けられたが、自己完結してくれたようだ。表情からはいい方向に解釈してくれたようだが、これが嫌な方向だったらどうすればいいのだろう?
「……なぁ。何でジュエルシードなんて集めてるんだ?」
「え?」
「あれが危険な物って事は分かってるんだろ? それ程までにして叶えたい願いでもあるのか?」
「ごめんなさい……。理由は話せないんだ」
やはりというか理由は話せないようだ。実際の理由は分かっているんだけどな……。
「ジュエルシード集め、手伝わさせてくれないか?」
なぜかそんな言葉が口をついていた
それが罪悪感からか、ただ原作介入するための手段なのか、はたまた別の感情からなのか。自分自身にも解らないが、なぜかそんな言葉が口から飛び出していた。
「……でも、悪いよ」
まぁ、それが普通の反応だろう。母親に頼まれたからこそやっているが、フェイト・テスタロッサ自身は心優しい少女だ。この行為(ジュエルシード集め)自体が犯罪だと理解している彼女が他人が手を差し伸べるのを快く思うはずがない。
「じゃあ、俺が助けたい時に勝手に助ける。それなら問題無いだろ?」
そう言いながら半ば無理やりテスタロッサの承諾を受ける。実際は、ほぼ助けに行くのだろうが……。
少し時間が経ち、テスタロッサがお粥を食べ終えたことでお開きになった。ちなみにお粥に対する感想は「おいしかった」だそうだ。嬉しいけど何かもっと具体的な感想がほしいと思うよね。
テスタロッサが倒れていることで分かってはいたが、やはりこのマンションにテスタロッサ達は住んでいるらしい。
テスタロッサが帰った後、少しの間俺は沈んでいく夕陽をずっと眺めていた。
『どうかしましたか? マスター』
「どうもしてないよ」
そんな俺のことを心配してくるセレネに対し、少しおちゃらけたように返事をする俺。
少なくともこれでこの物語、いや俺の物語は進み始める。よくある表現だと歯車の一部になり、止まることを許されなくなった状況だろうか?
どんな未来がこの先に待っていようとも……、
「明日から、頑張っていこうぜ。セレネ」
『はい、マスター』
こうして進み始める俺たち。たとえこれが決められた運命だったとしても、これが俺が変わることこの出来るチャンスだというのなら……。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ