§21 そして全ては水の泡
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て天地が分かれ、男女が分かれる。天地乖離すなんとやら、か。お前の話は火山の爆発系云々は聞いたことあったけどこっちはなかったわ。離婚式にも鎮火儀礼があるんだってね。幸いなことに実際見たことないからわからんけど」
火を契機とする天地分離の神話は東南アジアにもいくつか見られる。そこまで語っていると無理な使い方をしているからか、頭痛が始まった。だが、やめるつもりは毛頭ない。
「密接に関連する物を断ち切り”分離”させる力。権能を”破壊”する力だとばっか思ってたけど微妙に違ったのね」
「……無念。だが、一死報いてくれる!!」
凶悪なまでに輝く剣を向ける黎斗に向けて、迦具土は焔と雷撃を全方位から放つ。その焔の数、九つ。回避は不可能。相手の気が緩む一瞬に放つ一撃。圧倒的優位にいる相手が自分に放つトドメの一撃。それを遂げる瞬間は気が緩むであろう。勝利が確定しているのだから警戒する必要などないのだから。だが、それでもまだ足りなかった。
「はい、残念でしたー」
平然と立つ黎斗。今の攻撃で外傷を負った気配は、無い。初撃が当たる直前黎斗の姿が掻き消えた《・・・・・》。全弾が黎斗が存在していた空間を過ぎた瞬間には黎斗は変わらずそこにいる。しかも気付けば自身は、細い鋼線で一部の隙もないほどに束縛されている。そして胸には、光り輝く言霊の剣。
「……!?」
ドッ、と冷や汗が流れる。術を使った気配は無かった。物理的な回避も不可能のはず。今、正面の男は何をした?
「最後のネタバレタイム。この夏休みに北海道に行って潰してきた悪魔、フェニックス。その原型となった不死鳥ベンヌの特徴を加えた権能。能力は???時間を繰り返す」
発動から前後七十二秒の間の好きな時間に移動することが出来る能力。キングクリムゾンも時をかける少女(少年というべきか)も思いのまま。今までに殺めた神の分だけ一週間に発動できる。この能力で攻撃を受ける直前にほんの僅か未来へ飛んだのだ。つまり直撃した瞬間はその場に黎斗は存在していない。
ベンヌの鳴き声で時間は始まったと言われる。
不死鳥は死の淵に炎の中に飛び込んで雛となる。???生命を繰り返す。
二つの特徴が合わさった凶悪な能力。
「さて、終わりだ」
アーリマンの力で今度は須佐之男命の能力を拝借、暴風を巻き起こして上空に吹き飛ばす。ワイヤーで雁字搦めに縛られて、遥か上空に打ち上げられた迦具土にもはやなす術などない。
「来たれ煌めく色無き柱。神をも下す灼熱を以て。その御光で大地を飲み込み。全てを滅し虚無へと帰さん。……大盤振る舞い光栄に思え」
破壊光線を発動させる瞬間、過去に戻る。再び破壊光線を唱える。これを六
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