§21 そして全ては水の泡
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
滅してしまうのだがしょうがない。幽世なのだし誰も見ていないことに賭ける。相手の面子を眺めた限りだと盗む輩もいないだろうし幽世では隠密など意味がないとさきほど理解させられた。つまり解除にデメリットが無い。
「相棒、行くよ???!!」
呪力を大地に込め、爆発させる。土砂が勢いよく舞い上がり黎斗の姿が見えなくなる。正攻法で若干厳しいのなら、奇策あるのみ。無理をして真っ向勝負をする必要性などどこにもない。舞い散る粉塵の中、月読の権能、時詠を発動。黎斗vs神々では砂嵐など一瞬の目晦ましになるかどうかの下策だろう。だが、黎斗にとっては一瞬あれば十分。自身の時間を加速させることで結果的に神速での行動が可能となるのだから。相手が仮に心眼を使えたとしても、見失った相手の姿を捉えることは叶わない。見えないものは心眼だろうが神眼だろうが見えないのだ。神殺し片手に突貫。一番近い神から順に潰していく。瞬時に距離を詰め八雷神を切り裂く。あっさりと、強大な力を奮う神の一柱を弑逆する。まず一柱。次に行こうとして???突如、時詠の効力が切れる
「え?」
本来ならばまだ使えるはずなのに。あり得ないほどに短い効果時間。周囲を見渡すとその疑問は霧散する。遠くから黎斗達を囲む奇怪な軍団。色々な種族が入り込んでいるだろう。そんな彼らが一心不乱に唱えているのはおそらく解呪の言霊。
「……やっぱただの飾りじゃなかったのね。予想通り、か。ちょっぴりただの飾りを期待したんだけどな。しっかしよくもまぁ、これだけの戦力を掻き集めたもので」
「我らの宿敵を倒すのだ。全勢力を結集したさ。一人で挑んで勝てると思うほど思い上がってなどいない。あの三方を退けた者に対し油断などするものか」
何でもない事のように言う迦具土だが、ここまで準備を整えるのには苦労したはずだ。この努力を別のところへ使えばよいのにと思わずにはいられない。しみじみと感じつつ黎斗の視線は、数秒、八雷神の死骸に留まる。戦場で敵から目を離すのは命取りだと知っていても。
「しっかも八咫鏡なんてレトロな代物持ち出しやがって。スーリヤ無効、タネはコレか」
八咫鏡は天照大御神の姿を映した鏡。太陽神の権能を反射できたのもつまりはそういうことだろう。破壊光線は言ってしまえば超強力な太陽光のような物。
「太陽ビームだから反射しました、と。ホント対策練ってるのね…… でもこの発想は無かったわ」
つまりは左目損だったわけだ。最初から集団でわざわざ来たのも、包囲していたのも、全ては広範囲殲滅技を撃たせる為に。八雷神に持たせたのはおそらく彼の主
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ