§21 そして全ては水の泡
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戦している場合どうにかして停戦させてくださいませ」
自分たちに介入は不可能だ。神クラスの存在が数人ひしめく危険地帯から生還できる自信はない。
「……あいつら」
腹立たしげな声と共に須佐之男命の姿が掻き消える。
「最善は戦闘前に御老公が間に合うことですな。時間がかかりすぎていることを考える限りこれは望み薄ですが」
次善は、黎斗の生存。友人云々を抜きにしても、彼の能力をここで失う訳にはいかない。それに神は(気の遠くなるほどの年月を必要とするものの)復活できるが黎斗はそうはいかない、というのもある。抹殺派は古老の勢力のおそらく半分程に上るだろう。勢力半減は非常に痛い。願わくば停戦が間に合ってくれると良いのだが。
「私の失策でしたな。まさかあの方々がここまで大胆とは」
須佐之男命に話を通しに来ると思っていた自分の甘さに頭を抱える黒衣の僧。悩む二人は、部外者(ごどう)そっちのけで頭を悩ませる。
「あ、あのー……」
「「あ゛」」
深刻そうに話す三人にすっかり毒気を抜かれてしまった護堂が遠慮気味に声をかけるまで、二人は難しい顔だった。二人の顔には一様に「やってしまった」という表情。屋敷の時が、止まった。
「参ったなぁ」
状況はけっこう悪い。魂攻撃、屍特攻能力所有疑惑のある八雷神。不死破壊、という黎斗にとっての一撃必殺を持つ迦具土。二者に比べれば対したことないのだが、それでも黎斗に追随出来る近接戦闘をこなせ、バランス良くまとまっているようにみえる大国主。他取り巻き数十名。オマケに敵は破壊光線無効。
「まぁスサノオ&ツクヨミ&スクナビコナの三連星再び、じゃないだけマシか」
時間弄られるわ嵐叩きつけられるわ触手プレイに大津波etcetc…… あの時に比べれば現状は大したことない。そう思うだけでなんとなく楽になった気がする。現金なものだと内心で苦笑しつつロンギヌスを構えて前を睨む。前衛が大国主、後衛が迦具土、補助が八雷神、といったところか。大体の立ち位置を把握する。
「破壊光線で取り巻き殲滅、神様重症で休戦、ってシナリオは無理だったか」
かくなるうえは本当に本気でいくしかない。やるならば、徹底的に。二度と襲ってこれないように大損害をださせるのみ。中途半端な加減が危ないことはよく知っている。
「流浪の守護、解除」
莫大な力が黎斗の身体から放出される。鈍っている現状、これを解除しておかないと、強力な一撃を放った際にその余波で守護が自壊してしまうのだ。修復も可能だが面倒くさいので全力の際は解除する必要がある。これをしてしまうと気配の解放だけでなく盗み防止や隠密といった地味に有用な副次作用も消
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