§20 激突
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背後によられた八雷神に、羽交い絞めにされ動きを封じられる。左の死角から接近されたか。絡みつき分かれる八匹の蛇は、黎斗の抵抗を容易く封じる。
「くっ、やっぱ無理か。ってかさ、八匹の蛇になって襲ってくるとか反則だと思うの。しかも僕蛇苦手なんだけどこんな仕打ちって嫌がらせですかそうですか」
軽口を叩いてはみせるものの正直辛い。こいつには魂直撃や対屍特攻でもあるのだろうか。電気を纏う八匹の大蛇は黎斗の行動を許さない。触れた所から身体が腐食し剥がれていく。ロンギヌスの治癒だけではいずれ致命的になる。早く再生の力を使うべきなのだろう、が使わないのは本能が「使うな」と叫んでいるから。
「この期に及んで余裕だな」
そう言う迦具土の気配が変わる。黎斗の直感が告げている。???こいつは、ヤバい。
「天空よ、我が名の下に裁きを与えよ。未来より迫る滅びを縛れ。左に剣を。右には鎖を。我が腕を贄とし汝を封ぜん」
破滅の呪鎖具現化。対象は迦具土。起動方法・結界。結界は通常形式の捕縛と異なっており黎斗側から伸びた鎖が対象を捕獲する訳ではない。大地から鎖を召喚し相手を絡め取るのだ。こうすることで黎斗の攻撃範囲に入れることが出来なくても、相手の位置を固定できる。孤立している敵などに用いること乱戦用の派生型。外部からの攻撃に弱いのは変わらないが、相手が一人だけ離れていて、残りが全て黎斗と交戦しているならば、他の敵に鎖を破壊されるより黎斗が相手を殺す方が早い。
今がまさにその状況。迦具土以外の神二柱はこちらにつきっきりだし、雑魚軍団は何やら行動を開始しているがおそらく間に合わない。だから、破壊はされない。相手が行動を起こす前に月読の権能”時詠”で時間加速、ロンギヌスで撃破。
そんな黎斗の目論見は儚くも崩れ去ることになる。
「やれ、カグヅチ!!」
「対象、神殺し。対象、破滅の呪鎖。逝け!」
迦具土より放たれるのは不吉な言葉と三日月の劫火。邪眼の影響で弱体化しつつも斬撃のように飛んでくるそれを、八雷神に拘束された黎斗は回避する術を持つはずもない。
「仲間まで!?」
「安心しろ。今のは貴様専用《・・・》だ」
まさかの味方ごと攻撃に驚愕する黎斗の背後から耳に声がかかる、と同時に彼の身体を劫火が焼く。邪眼で消去しきれなかった分が身体の中に吸い込まれるように入っていく。
「……?」
痛みは、無い。違和感を探る黎斗を、大国主の剣が襲う。
「これでまた一回だ。死ね」
とっさに黎斗は右腕を上げる。|壊死しているはずの《・・・・・
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