§19 急転直下
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けだが。
「……何か不都合でも?」
既に非日常側であることがバレているのだから、協力要請されることは予想出来ていた。しかし一緒に活動すると手加減が非常に難しい。今になって思えばサルバトーレ・ドニの時は正直やりすぎた。雑魚を装い適当なところで敗北しておけばこんな厄介毎に巻き込まれずにすんだだろうに。反省はしていないが後悔はしている。
(甘粕さんや万里谷さん、リリアナさんを守りながら権能封印行動ってどんだけだよ。難易度ベリーハードもいいとこだ。精神汚染使うには甘粕さんが邪魔だしなぁ)
既に荒事が起こらない可能性など脳内から抹消した。勘が戦いを感じ取っているし。個人的には単独行動がベストなのだけれど。単騎突撃で痕跡を残さず敵を消滅させれば解決だし。いっそ、古老の意向云々とか言ってしまおうか。そうして傍観に回るのも(若干後ろめたいが)また一手。
「そしたら問題は恵那か。あんの娘さんは……」
しかし、恵那が関わっている以上傍観という手段は最初っから消去せざるを得ない。
「エルは家? まぁ、居たとこで非戦闘員だからあんま変わらんけど。……この場合非戦闘員じゃなくて非戦闘狐?」
「……失礼ですね、マスター」
「うわぉ!?」
降ってわいたように現れた狐様に、黎斗は驚きの声を上げる。いくら思考していたとはいえエルは素人同然である。素人相手にここまでの接近を許すとは。
「マスター、媛様から伝言です。恵那さんとエリカさんが現在交戦中。草薙様は須佐之男命様のお屋敷です。媛様がなんとか取り持って下さるでしょうが最悪、お二方の方でも戦闘が勃発するお覚悟を」
それは、悪夢のような内容で。
「うっそぉ…… マジかよ」
「途中で念話が途切れた為今現在の状態は不明です」
「途中で切れた?」
エルは途中で切れた。黎斗は最初から繋がらなかった。この差は、何か。
「はい。ここに到着する直前に通信途絶しました。以降繋がる気配がありません。媛様の身に何かが起こった、とは考えにくいですし恵那さんが神懸かりを用いた際の呪力の乱れとかが原因だと思うのですが」
「それはない。僕はスサノオと最初連絡取れてないし。もしエルが正しいなら最初は連絡とれるハズ」
「須佐之男命様に嫌われた、とか喧嘩中とかは?」
「それはないと信じたいなぁ…… って、会話が脱線してきてるからっ」
この周囲で、恵那以外によって結界が張られた形跡も呪術が行われた痕跡も無い。
「鍵となるのはやっぱ幽世か」
明らかに黎斗と須佐之男命達の接触を封じようとする動き。こうなれば周りを気にせずに戦える
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