第百五十一話 アクアの決別
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そのうえで述べてきた。
「これ以上の戦いは無駄な損害を出すだけか」
「援軍がなければこれ以上は」
「いや」
しかしバスクはこれには首を縦には振らなかった。
「今残っているのは最後の予備戦力だけだ。彼等を投入するのはまだ先だ」
「それでは」
「シロッコよ」
ジャミトフが彼に対して言った。
「ゼダンまで下がれ。よいな」
ジャミトフ自ら撤退を命じた。彼もこれ以上ここで損害を出すわけにはいかなかったのだ。
「そこで決戦を挑む」
「わかりました。それでは」
「全軍撤退させよ。よいな」
「はっ」
敬礼で応える。
「わかりました」
こうしてティターンズは撤退に移った。しかしミッテはその中で最後まで戦っていた。ジェリド達はそれを見て彼女が後詰に回っていると思った。
「珍しいこともあるもんだな」
ヤザンは彼女の姿を見て述べた。
「あの女が最後まで残るなんてな」
「どういう風の吹き回しだろうな」
ジェリドも言う。彼等はいぶかしむ目でメディクスを見ていた。
「これはまた」
「さてな。けれどこれはこれで好都合だ」
「そうだね」
それにライラが頷く。
「今のうちだ。さっさと兵をまとめて下がるよ」
「ああ」
ティターンズはそのままゼダンに向けて去る。その最後にメディクスがいた。
ミッテは戦いながら何かを見ていた。見ながら満足そうに笑っていた。
「いい感じね」
「!?一体何を」
ヒューゴもそれを見ていた。見ながらおかしなものを感じていた。
「何を見ているんだ、あの女は」
「AIがどうとか言っているけれど」
それはアクアにもわからない。何故なのか首を傾げさせていた。
「状況を見ているみたいだけれど」
「これでいいわ」
二人がいぶかしむ中でミッテはアルベロに述べてきた。
「これで今回のデータは揃ったわ」
「揃ったのか」
「ええ、全てね」
そう答えて述べる。
「だからこれでね」
「わかった。では俺達も撤退するぞ」
その言葉を受けて撤退に入る。
「それでいいな」
「わかったわ。それじゃあ」
「うむ」
メディクスも撤退する。ヒューゴとアクアは取り残された形になった。
しかし二人はここで首を傾げさせたままであった。その中でヒューゴがアクアに問う。
「何かありそうだな」
「何かが」
「ああ、あの博士は何かを企んでいる」
彼は言う。
「良からぬことをな」
「先生、一体何を」
「少なくとも博士は御前を裏切っている」
はっきりとアクアに告げた。
「それを忘れるな」
「・・・・・・わかってるわ」
苦い顔でそれに頷く。
「けれどヒューゴ、貴方は」
「俺は俺だ」
アルベロのことは無理にでも吹っ切ろうとしていた。
「気にするな。いいな」
「・・・・・・わかったわ」
アクアはそれに頷
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