§18 嫉妬団再び
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に顔に朱が差し護堂から背けるリリアナ。断罪の場の空気がなんだか変わりつつある。口を挟む機会を逃した黎斗がやりとりを見ていると三馬鹿vsリリアナ論戦になってしまった。三馬鹿が押されているようだ。「一人で何が出来る!!」とか「ま、待ってくれ!!」とかどう考えても悪役のセリフですほんとうにありがとうございました。
「異議有り!! 草薙護堂は王道を歩くものに非ず! 彼は幾人もの女子を弄ぶ外道。これまさに色魔の所行なり!!」
台詞が芝居がかってる。が、これは大ダメージが見込める発言だろう。どうかんがえても。リリアナもこれに反論できるとは思えない。勝負あったか?
「そうだそうだ!!」
応援するしかない。頑張れ、勝利はキミの手にかかっている。
「その程度の讒言で私を翻意させられると本気で思っているのか? まったくもって、嘆かわしい輩だな……」
侮蔑の籠った彼女の瞳。これは正論、そう正論のはず。なのにそれでも間違っていると彼女は確信を持って言えるとでもいうのか。
「確かに彼は稀代の色好み。気紛れに婦女子と戯れるハレムの主人であることは否定出来ない事実だ」
「うわぉ。認めた上でまだ言いますか……」
開き直りっぷりに黎斗はジト目でリリアナを見やる。それを認めてしまえばこの会の主旨も理解してくれそうなものだけれど。この状況で庇う彼女に尊敬の念を送ってしまう。逆境にもかかわらず頑張るね、的な意味で。「護堂=色情魔」の図式は(本人以外にとっては)共通認識らしい。というか女の敵確定なのにこの人は庇うというのか。どんだけ情が深いんだ。いや、恋は盲目というやつだろうか?
「これがダメ亭主を健気に待つ女房に発展するんだな……」
延々と説教してくださるリリアナさんだが、どっからどう見てもダメ亭主を待つ女房のそれにしか見えない。堕ちると人間こうなるのか。恵那だけでなくエリカや裕理もこんなになってほしくはないものだ。媛さんは人生経験豊富だろうから(ほとんど引きこもりの可能性も高いけど)変な男に引っかかる心配はないだろう。
「げに恐ろしきは護堂のオーラか……」
少々ピントのズレた思考をする黎斗の隣から「これが……調教……」だの「絶望した?!! ハーレム公認に絶望したー!!」だの悲痛な声が響き渡る。だがここは公の場だ。黎斗としては変な単語は出さないで欲しい。誤解されそうですごく怖い。兎にも角にも彼我の実力差に愕然とする男たちだが、事態はここでは終わらない。というか、黎斗にとっての地獄はここからだった。
「あ、いたいたー。……ってれーとさん? 変な格好して何やってんの?」
「清秋院!? 助けてくれ!! 黎斗が突然襲ってき」
護堂がさっそく恵那に告げ口。焦った黎斗は口を封じようとするがもう遅い。
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