常に全力勝負
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声を上げるようになった。
それでも打ち続けて、お互いの体力の限界を越えたそのあとに、玲音の最後の気力を振り絞ったスマッシュが決まった。
ようやくついた決着に、玲音は力一杯のガッツポーズと雄叫びを上げた。
なお、その瞬間に観客からの拍手喝采を浴びて、どうやってこの場を収めようか、と困惑しつつも本気で考えた僕と玲音がいたことを記しておく。
まあ結果としては、従業員の方や父さんたちになんとかしてもらったのだが。
そうして騒ぎが収まったあとに、滝のような汗をかいた僕たちが強制的に温泉に入らされたことは、言うまでもないことだ。
こうして本日二度目の温泉を、運動後の程よい倦怠感と共に堪能した僕たちが部屋に戻ると、伯母さんが迎えてくれた。
「あら、早かったわね。あれだけ運動したあとだったから、もう少しゆっくりしてくると思ってたのに」
「ああ。もうすっきりしたからな」
「それにしても、玲音と翔夜君が本気を出すと、俺たちは全然ついていけないな」
「私たちも途中から打つのを止めて、ずっと見ちゃいました」
「うん。ボールは早いしラリーは長いし、ついつい目で追っちゃうんだよね」
なんだか誉められているようで、背中がむず痒い。
「別にそこまで凄いということではないだろ」
「そうだよ」
そこで、全員がやれやれといった感じで苦笑した。
「これはなんというか……」
「わかってないのは本人だけね」
「でも、僕は翔夜と玲音君らしいと思いますよ」
「そうですね」
そんな姿を見ても全く意味がわからず、僕と玲音は頭に疑問符を浮かべていた。
そんな僕と玲音を見て、父さんたちは更に吹き出した。
「あーもう、本当に面白いわねえ」
「だから何がそんなに面白いんだよ」
「全部だ」
「答えになってないだろ」
このまま放っておいても終わりそうになかったから、玲音を落ち着かせるために声を掛けた。
「玲音、もう止めたら? どうせ答えてもらえないんだから」
「だ、だが……」
玲音が反論しようとしたが、伯母さんの大きな笑い声によって遮られてしまった。
「ほら、玲音。これじゃあどっちが年上だか、わからないわよ」
「ぐっ」
伯母さんの発言が的を射ていると感じたのか、言葉につまった。
それを見て、母さんが優しく声を掛けた。
「義姉さん。あまり玲音君を苛めすぎない方がいいんじゃないですか?」
「あはは、それもそうね。じゃあ、明日も早い時間に起きてまた温泉に行くんだから、そろそろ寝るわよ」
「シェラは本当にお風呂が好きだな」
お風呂が嫌いな人は中々いないと思う。無論僕も好きだ。
「私もお風呂は好きですよ。兄さんだってそうでしょう?」
「それ
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