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メディスン・メランコリー 〜無名の丘〜
メディスン・メランコリー 〜無名の丘〜
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していたんだと思うの。
  他にも方法はあるのに、妖怪化しそうな人形だけでも助けられるように画策していてくれたのね。
  死神は上司である閻魔の命令は絶対だから。多分私達を呼んだのもこのためでしょう。
  さ、出来るだけこの鈴蘭を増やしましょう」

 「あ、ありがとう。それであなたたちは・・・?」

 「私達は秋の神様よ!たまに人里の収穫祭に出てるから会ってると思うんだけどなぁ」

 「あなたの遠い先祖が、その収穫祭を始めてくれた人になるの。だから私たちも協力させてもらったのよ。
  この人形、メディスンって名前なのね。それで見たことがあったのよ。あなたの顔を見て思い出したわ。
  それに、私たちがメディスンに会ってた時、隠れたのもあなたでしょう?」

 「そうだったの。あれはあなた達だったのね。ごめんなさい。沢山の怨霊がいるから、
  なるべくメディスンとスーさん以外には関わらないようにしてたの・・・」

 「仕方ないわね。でも、こんなことになるとは思ってなかったから・・・。ごめんなさい」

 「あなた達が悪いわけじゃないわ」

 「だけどできる限りのことはさせてもらうね!」

 「あの、鈴蘭畑が元通りになったとして、スーさんは生き返らないの・・・?」

 「・・・確かに、妖精は鈴蘭の化身だったかもしれないけど、可能性は低いと思うわ・・・」

 「そう・・・わかったわ」

 「じゃあ始めるよ!」

辺りを見回してみる。もうここには、何も残ってなかった。
ここは私たちの場所だった。私達3人が過ごしてきた思い出の場所は、草木は枯れ、生き物は活動を停止してしまっている不毛の大地となった。これは私達3人を表しているようで、見ていてとても苦しかった。今までの思い出が、涙と共にこみ上げてきて、私は目をつむった。メディスンの手に大切に包まれていた鈴蘭を手に取った時に、顔を見てみると、メディスンはなんとなくだけど笑っているような、そんな気がした。私は秋の神々に鈴蘭を渡し、メディスンの隣に座った。
ずっとこうしてきたんだけど、きっとこれが最後になるんだろうな、と思った。メディスンの体は人形の切れ目が少し薄くなっている気がした。妖怪化すると、手足の切れ目は無くなるのだろうか。その部分に触ろうとしたけど、さっきみたいに怨霊化したわけでも、完全に妖怪化したわけでもない体に触ることはできなかった。私はまた前を向き、目の前に広がる景色を見つめながら、元々のここの風景を想像していた。
目を閉じて、開いた次の瞬間、この場所は一面の鈴蘭畑となったのだ。
スーさんが残してくれた一輪の鈴蘭は、枯れていた仲間を蘇らせ元の草原、いや、それ以上の鈴蘭畑となった。
私は目を疑ったが、足元に目をやると本当に、鈴蘭が咲いていた。スーさん
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