メディスン・メランコリー 〜無名の丘〜
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ったわけじゃない。
ずっと3人で居られたからこそ、彼女達は笑うことが出来たと、あたいはそう思うけどね。
それに・・・」
遠巻きに眺めていた二人の女の子が近づいてきた。
そして二人の女の子が死神に言った。
「死神さん。あなた、最初からこうする予定だったのかしら?もしそうなら・・・」
「悪いが上司命令でね、お前さんたちには申し訳ない事をしたと思うけど、
鈴蘭畑と妖精は異変になりうる可能性があるから排除しなければならなかったのさ」
「私の力をこんな風に使うなら最初から協力なんてしなかったよ!」
「それに、その人形は死んでるわけじゃないさ」
私は耳を疑った。私は死神に詰め寄って質問した。
「ちょっと待って!死んでないってどういうこと?」
「妖精からの毒をもらって生きている中で、その人形は新しく妖怪として生まれ変わっていたのさ。
この死者選別の鎌は、普段は飾りみたいなもんだけど、死んでいるものは切れるが、
生きているものは切ろうと思わなければ切れない。
あたいは怨霊を始末するためだに使ったんだから、その人形に傷はないだろう?
普通人形が毒の力だけで動くことが出来たとしても、
怨霊以外で意思や記憶を持つとは考えられないからねぇ。
それは僅かながらもその人形が妖怪化、付喪神化してるとも言えるからだ。
怨霊や、他の存在がいなくなった今からその人形は新しく生まれ変わるのさ」
「じゃあ今までの記憶は?」
「残念ながら、ほとんど持ってはいないだろうね。
今までの記憶や感情は間違いなく怨霊や霊からのものだからねぇ。
だけど、何も記憶だけが繋がりってわけじゃないとあたいは思うけどね」
「どういうこと・・?」
「ま、それよりも、お前さんは、あたいと一緒に来てもらうよ。
一度は死んでいるんだから三途の川は渡ってもらわないとねぇ。
今まで見て見ぬふりをしてたんだけど、そろそろ限界だね。
準備が出来たらこの先まで一人で来るといい」
死神は去っていった。準備・・・・?どういう意味なのだろうか。
そもそも、すでに死んでいる私に準備などあるのだろうと考えていると、
「そういうことなのね。死神って、あいかわらず回りくどいわね」
「え?」
隣にいた女の子が口を開いた。
「えっとね!つまりは人形は今から毒の力で生きていかなきゃいけないんだけど、
もうこの土地には鈴蘭はほとんど生えてないの。
だから、最後にスーさんが残してくれた鈴蘭を、
私の力で今から出来るだけ増やしておけっていうことだと思うよ!」
「成長したわね。穣子。そうね。最初からそのつもりであなたを見逃
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