第61話 =すずらん亭=
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、事情を全て話すわけには行かない。
「いろいろ教えてくれてありがとな、リーファ。それとご馳走様。リーファに出会えてよかったよ」
そういい、俺は席を立とうとした。が、突然誰かに引っ張られるように体勢を崩しかけた。
「ちょ、ちょっとまってよ!世界樹に…行く気なの?」
「あぁ…この眼で確かめないと」
同じく立ったキリトがそういい、俺も頷く。
「無茶だよ…そんな…。ものすごく遠いし、途中で強いモンスターもいっぱい出ると思うし…」
「大丈夫だって。強さなら俺たちもそこそこ強いさ」
少なくともここにいるのはあの城で判明したユニークスキルの使い手3人のうちの2人だ。俺はともかくだがキリトが負けるわけ
はない。そう思っていると俺たちが驚くようなことをリーファが言ってきた。
「――なら、あたしが連れて行ってあげる!」
「…いや、でも、会ったばかりの人にそこまで世話になるわけには……」
「それにリーファって結構有名人だろ?そんな人が俺たちについてきちゃやばくないか!?」
ここ、すずらん亭に「レコンは彼氏?」などと言う雑談をしながら来たのだがその時の周りの視線が少しおかしかったのだ。最
初は明らかにぎょっとしたような眼でこちらを見てくるがその真ん中にいるリーファを見たとたんにその視線をやめて何も言わ
ずに通り去っていく。リーファの顔が周りの人に認知されているから起こる現象…だとおもう。
「いいの!もう決めたの!!」
だが女子の扱いには不慣れな俺と同様のキリトもリーファの勢いに負けてしまい一緒に行くことが決定した。…この状況と同じ
ようなことがあったっけ…とリーファを説得しているときに俺は思い返していた。22層の家でボス戦に行くとき俺が「危険だか
ら残ってろ!」と言ってもユカたちは「そんな危険な場所に1人で行かせるわけには行かないわよ」などと何回ももめた。で、案
の定俺が負けて毎回一緒にボスに挑むこととなったのだが…。
「あの…明日も入れる?」
「あ、う、うん」
「入れるけど…」
「じゃあ、午後3時にここでね。あたし、もう落ちなきゃいけないから、あの、ログアウトには上の宿屋を使ってね。じゃあ、
また明日!!」
そうリーファは立て続けに言うと早々に左手を振ってウィンドウを出した。
「あ、ちょっと待って」
言ってないことがあったのを思い出し、恐らくログアウトをしようとしたリーファを呼び止める。
「…俺たちに同行するって言ってくれてありがとう。正直不安だったんだ」
まず、アルンへの道がわからないし―そこはユイに頼めばどうにかなりそうだった―他にもプレイヤーしか知らないようなこと
もあったはずだ。この世界に
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