食事と新たに事件
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<<軍>>のユニフォームに身を包んだ長身の女性プレイヤーだった。一瞬、剣に手をかけるが、キリトが隣にいるということで、俺は剣から手を離した。子供たちとアスナは一斉に黙るが「みんな、この方は大丈夫よ。食事を続けなさい」という鶴の一声でまた騒がしくなった
「ええと、この人はユリエールさん。どうやら俺たちに話があるらしい」
ユリエールは俺とアスナに視線を向け頭を下げて挨拶をした
「はじめまして、ユリエールです。ギルドALFに所属してます」
……ALF?いつの間に軍は名前を変えたんだ?と思ったが<<軍>>は俗称であったと思い出す
「はじめまして。わたしはギルド血盟騎士団の……あ、いえ、今は一時脱退中なんですが、アスナと言います。この人はソロのリン。この子はユイ」
紹介されたので立って一礼。ユイは顔を上げるとユリエールを見つめる。首をかしげるが、ニコリと笑い再びフルーツジュースに視線を戻す
「KoB……。なるほど、道理で連中が軽くあしらわれるわけだ」
「……つまり、昨日の件で抗議に来た、ってことですか?」
「いやいや、とんでもない。その逆です、よくやってくれたとお礼を言いたいくらい」
「……」
事情が読めないアスナとキリトは沈黙するが、俺は口を開く
「ユリエールさんは恐喝連中とは別の派閥に所属していると考えていいよな?最近、恐喝が多くなっていることからおそらく勢力が弱くなってきた派閥に」
ユリエールは空色の瞳を大きく開き口を開いた
「……ご明察の通りです。実はそのことであなた方にお願いがあって来たのです」
「お、お願い……?」
頷くとユリエールは続けた
「はい。最初から、説明します。軍というのは、昔からそんな名前だったわけじゃないんです……。軍ことALFが今の名前になったのは、かつてのサブリーダーで現在の実質的支配者、キバオウという男が実権を握ってからのことです。最初はギルドMTDという名前で……、聞いたこと、ありませんか?」
「<<MMOトゥデイ>>の略だろう。SAO開始当時の、日本最大のネットゲーム総合情報サイトだ。ギルドを結成したのは、そこの管理者だったはずだ。たしか、名前は……」
「シンカー」
ユリエールが割り込みキリトの言葉を受け継いだ
「彼は……決して今のような、独善的な組織を作ろうとしたわけじゃないんです。ただ、情報とか、食料とかの資源をなるべく多くのプレイヤーで均等に分かち合おうとしただけで……」
MMORPGの本質はプレイヤー同士競いあうものだ。ましてや、このSAOにとらわれた人の大半は熱狂的なプレイヤーだろう。それなのに分かち合おうなんて無理だろう
「そこに台頭してきたのがキバオウという男です。彼は、シンカーが放任主義なのをいい
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