信じたその先
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「ステイル…もう迷ってる暇はない。こいつの右手を使い、無理やりルーンを壊すか、それとも記憶を消すか…このどちらかを取らなければインデックスは死ぬ」
「ッ!」
ステイルも分かっているのだ。神童の言った二つの手段しか残れされていないと、そのどちらかを取らなければインデックスは死ぬと。
当然ステイルはインデックスが記憶を失わずに済むならば、それに越した事はない。だが、今まで自分達を騙していたネセサリウスがそう簡単にルーンが壊せるようにしているとは思えないのだ。
恐らく、このルーンを壊した先には何かある。そうステイルは考えずいはいられない。
それは神童も同じように考えてはいるが、神童はもうインデックスが苦しんでいる姿を見ていられないのだ。先ほどどちらかの選択を取るしかない、とステイルには言ったが、神童自身としては、すでに答えは決まっている。最後まで少年を信じることにしたのだ。
「僕は…」
「俺はこいつの右手に賭けるぞ。その後何かしろ来るならまた対処すればいい」
「…君の意見にしては随分と投げやりじゃないのか?」
「インデックスが救われるのなら危険な橋も渡ってやろうじゃないか。これでネセサリウスから追い出されようともな」
今回神童たちが行うのは明確な反逆行為だ。
このルーンを破壊する行為が少年一人によって行われ、それに巻き込まれた形になればまだしも、今回のこれは神童達から少年の方に頼んでいるのだ。例え神童達が長年騙されていたとしても、それは理由にはならない。
ここで少年の右手を使い、インデックスが助かったとしても、その後ネセサリウスに反逆者として追われるかもしれない。その可能性は十分にありえる。
「君はいいのかい?」
「もう決めた事だ」
ステイルは神童の真っ直ぐな言葉を聞き、自分も決心する。例えネセサリウスから命を狙われようと、今自分の目の前で苦しんでいるこの子を守ると。
「僕も君の案に乗ろう」
ステイルも少年の右手を使うことを了承する。これであと一人、了承を得ることが出来れば、インデックスはどうなるにしろ、今までになかった進展を迎える事になる。突然三人の目の前に現れた少年の手によって。
「光輝…その少年の力は本当に信用できるものなのですか?」
「何度も言うが、これは俺の直感に過ぎない。絶対の安全なんて何処にもない。ましてや今から俺が行うことに乗ればそれはネセサリウスへの反逆にも繋がる」
神童の言葉を聞き、火織は眉間に皺を寄せる。
そして目を瞑り、小さく息を吐き出した後に神童の瞳を真っ直ぐ捉えた。
「私が彼女を救うのに臆すると思っているのですか?それに…私は光輝についていくと言ったでしょう?」
「…そうだ
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