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王道を走れば:幻想にて
第6章、その1:束の間の癒し ※エロ注意
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えぬ事は無い。時代が時代ゆえ、発禁画として指定されるであろうが。

「んんんっ!ああ、いい・・・凄くいい・・・!!」

 精神の高揚が肉体の昂ぶりへと繋がり、娼婦は身体の芯から火照ってくるのを感じた。炙ってくるような小さなものではなく、延焼するような激しき絶頂の炎だ。女の慶びが唇の間から息として漏れて相手に吹きかかり、ミシェルも同様に息を漏らして真っ直ぐな瞳を向けてきた。隣室の情事も相当に喧しきものであるが、二人の視線を逸らすだけの注意力など持たない。ぎしぎしと、寝台が静かに揺れる音が二人の代わりに心臓の早鐘を伝えてくれる。二人の髪が交じり合って宙に踊る。ただ肉体を貪り合うよりも多くの汗が噴き出てきてしまう。
 娼婦は俄かにえびぞりとなって己の胸部をぴんと張る。ミシェルはそれを両手で自由に揉んで、しかし追い詰められたように、哀願するように娼婦を見上げた。女は慈愛の笑みを嬌声の間から零す。

「今日はっ、ああっ・・・避妊薬を飲んでるからっ・・・全部膣内で、んんっ・・・いいわよっ!」
「わかったっ・・・ああ、出そうだっ・・・!!」

 ミシェルは腰の躍動をこの時に限り、激しくさせた。女の口唇から溢れた喘ぎが一段と高いものとなり、記憶にその存在を刻み付けてくれる。この情事を終えても絶対に忘れないであろう、一人の娼婦が零す魂の絶叫であった。ミシェルは感極まるといった具合に表情を歪め、大きく唸ると共に動きを静止させた。途端に堰き止めていたそれが一気に破裂し、その頭から液体が噴出するのを感じる。
 幾度の震え、その一つ一つにミシェルの思いが篭められている。欲望、高揚、充足、そして安堵。女もまた同様の悦楽を得ながら身体を震わし、静かに男の欲望を甘受した。誰かがどこぞで行う愛欲とは比較にならぬ、満ち満ちた気分になれる行為である。

「・・・はぁ・・・はぁ・・・あなた、よかったわ」
「俺もだ・・・今まで抱いてきた女が束に成っても、君には適わないな」
「ふふ。その台詞、いつも皆に言ってきたのかしらね?」

 娼婦は静かに腰を持ち上げて男性自身を引き抜いた。精子の放出で満足を得たか、萎え気味のそれが局部から引き抜かれて白い糸を垂らす。十秒ほど送れて白い粘着質な塊が毀れてくる。
 二人は熱帯びた身体を揃って横に倒しながら、睦み合うように身体をくっつけた。

「本当、丁寧でいじらしい責め方・・・女誑しの腰つきね」
「気に入っていただけたようで何よりだ」
「・・・ねぇ、できるなら明日以降も私を指名してくれる?あいつと寝るなんて、身体が疲れるだけだもの」

 雷鳴のような情事の声に、ミシェルはつい呆れ、そして怒りを覚える。この清らかな女性の心を甚振るとは、なんといけ好かぬ男である事か。

「あいつも嫌われたもんだ。まぁ、あんなやり方じゃ
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