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王道を走れば:幻想にて
第6章、その1:束の間の癒し ※エロ注意
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を間近で見詰める。真摯な黒の瞳に、己の顔立ちが移りこむようだ。

「・・・ああ・・・凄く上手・・・。こういうのは慣れているの?」
「そんなんじゃないさ。ただ、君を傷つけたくないだけだ」
「・・・ふふ。大好き」

 二人の距離は再びゼロとなる。互いを求めるように手を這わる。肉肌の質感を愉しむように、筋肉の張りを感じるように。

「ちゅっ・・・あむ・・・ちゅぅ」

 娼婦は接吻を交わしながらそろそろと手を伸ばし、ミシェルの硬く滾った陰茎を握る。裏筋の辺りが強張っており、先走りが垂れたお陰か摩るのが俄かに難しい。しかし獣のように射精を求めるの相手ではないため、娼婦は出来るだけ一手一手に丹念さを求めて、局部を愛撫していく。
 前戯の際に女が浮かべるイメージとは、穏やかな風が波をさざめかせる風景であった。この静謐に満ちた環境こそが何時だって彼女の心に落ち着きを齎してくれる。いわば集中するための材料なのだ。とりわけ己の指先や口唇は、非常にデリケートな部分を刺激して快楽を齎す。慎重に越した事は無く、どこまでも丁寧に、余す所無く相手を愛する。それが故に女は領内の娼婦の中でも一番の人気を誇るのだ。

「・・・凄くいじらしい、っ、顔をしているね、君は」
「そうですか?」
「ああ。凄く繊細で、憂いのある顔でさ。とても好みだ」

 ミシェルとて、その魅力の魔の手からは逃れ得ない。安らぎを得つつも興奮で頬を赤く染めており、手付きも段々と卑猥さを感じさせるものに変じていた。女の背中を何度も摩り、臀部の引き締まった肉付きを揉みしだき、指の間で挟み込むように弄ぶ。

「ん・・・お尻が好きなの?」
「まぁ、な。ここも好きだけど、な」

 ミシェルの指先が臀部の谷間をすすと降りていく。皺寄せた窄みを撫でながらその爪先がしとどに濡れた唇へと辿り着く。娼婦は愛撫の手を止めて上体を起こすと、澄んだ瞳を浮かべて彼を見返した。 

「いいわよ。好きにして」

 俄かに汗ばんだ顔に笑みを浮かべながら、ミシェルは上体を起こして女と接吻を交わす。そして片手で己の陰部を握って、相手の花園の口へと亀頭を合わせた。滑々の丘と肌を何度か先走った汁で穢し、女が薄目を開いた瞬間、亀頭を中に滑り込ませる。

「はっ・・・ああっ・・・」

 艶やかな息を漏らして女がしがみ付いてくる。自然と挿入も容易いものとなっていき、勃起した男根は熱い肉壁の中を突き進んでいく。初めは閉ざされていたように感じたヒダであったが、亀頭の存在を確認するとまるでそう定まっているかのように開かれていき、四方より彼自身を締め付けていく。膣内を覆う充足感に女は恍惚の表情を浮かべた。演技であるなら到底浮かべられないような、至福の色で頬を染めて。

「あっ・・・はぁ・・・凄い気持ちいい・・・」

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